ちょうど1年前に、興味深いモデルとして紹介した、スピードマスターの311.33.42.50.01.001。
最近のオメガの型番は、非常に長いため、311.33.42.50.01.001といわれても「あれか!」とはならないでしょう。
では、この311.33.42.50.01.001とはどんなモデルなのかというと、「スピードマスター50周年を記念して作られた限定モデル」であります。
そして、その内容は、
といったところ。
1957本限定という数については、腕時計の世界では「それほどレア」という印象になりませんが、「エナメル文字盤」、「フレデリックピゲの手巻きムーブメント」という内容は興味深いといえます。
さらに、そういった要素が、他のスピードマスターではなく、ムーンウォッチと組み合わされるというのは、まさに最高のマリアージュといったところで、腕時計ファン目線だと「グッと来る1本」だといえます。
限定モデルといえば、中古市場ではあまり評価が高くない傾向がありますが、オメガは別。実際、1年前の段階でも、スピードマスターではスヌーピーやアラスカプロジェクトなどが「目立って上昇」していました。
しかしながら、この50周年限定モデル、311.33.42.50.01.001については、1年前の段階では「評価されていなかった」のです。
2020年7月において、この311.33.42.50.01.001は約69万円で購入可能だったのですが、これは2017年8月水準と同程度だったのです。
2017年7月と2020年7月とでは、相場が変わっているというオメガは珍しくなく、特に限定モデルは「けっこうな上昇」となっている存在が見受けられました。
それに対して、この50周年記念モデルは、エナメル文字盤+フレデリックピゲの手巻きムーブメントという「グッと来る」内容ながら、2017年水準と2020年水準がほぼ同じというのは、「かなり意外」だったといえます。
しかし、それから1年後の今、なんとこの50周年記念モデルの評価は、過去とは比べ物にならないぐらい高くなっているのです。
ではどうなっているか。現在311.33.42.50.01.001は、約142万円という水準に達している状態です。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年7月 の安値 |
2021年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
スピードマスター 311.33.42.50.01.001 |
中古 | 1年 1ヶ月 |
¥698,000 | ¥1,427,800 | 729,800 | 204.56% |
1年前水準が約69万円、現在水準が約142万円ですから、311.33.42.50.01.001はこの1年で約72万円ほどの上昇となったということになります。
つまり、この1年での変動額が、1年前の本体価格を上回っているという状態であるのです。
実は筆者、1年前にこの311.33.42.50.01.001を本気で購入しようかと考えていたのですが、当時はもう少し価格帯が高い腕時計を狙おうと考え見送った経緯があります。
しかし、今の水準を見ると「買っておけば良かった」となるわけで、本気で「良い」と思ったものは、やはり買ったほうがよいという教訓となりました。