90年代頃までにおいて、「ロレックスといえばこれ」という存在は、デイトジャストの16233だったと以前の記事で述べましたが、そのような時代において「それよりもやや若々しい選択肢」という感覚だったのが、この16234の青文字盤だといえます。
青文字盤といっても、16234には「バーインデックス」と「ローマンインデックス」などが存在しますが、人気だったのはローマンインデックスのほうだったでしょう。
2000年前後という時代は、すでにスポーツロレックスが「ロレックスで1番人気」という状況になっていましたが、そういった時期においても16234青文字盤は、それなりの存在感があったといえます。
ちなみに、筆者は、1999年か2000年にこの16234青文字盤ローマンをしている男子高校生を見かけましたが、「高校生にはしぶすぎる」という感想を持ったことを覚えています。
高校生が着けているというのは稀な例でありますが、そういったことが起こりうるぐらい、知名度が高い存在だったといえるかと思います。
そんな16234の青文字盤ローマンですが、ここ数年の評価はどうなっていたかというと、2016年8月が約33万円、2018年5月が約40万円という様子でした。
16233シャンパン文字盤が、長らく30万円台後半で購入可能という様子が続いていたのとは違い、この16234青文字盤ローマンは、それなりに変化していたといえます。
さて、そんな16234青文字盤ローマンですが、そういった評価の高さ(5桁デイトジャストとして)は今でも変わっていない様子です。
ではどうなっているかというと、2021年8月現在、16234青文字盤ローマンは、約65万円という水準になっている状況。前回お伝えした、2018年5月水準が約40万円でしたから、この3年3ヶ月で25万円ほどの上昇をしたということになります。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年5月 の安値 |
2021年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトジャスト 青文字盤ローマン 16234 |
中古 | 3年 3ヶ月 |
¥407,000 | ¥658,067 | 251,067 | 161.69% |
この「約25万円の上昇」という値動きは、2016年の本体価格に近いぐらいの変動だといえるかと思います。
リーマンショック後⇒アベノミクスというような出来事があった場合、こういった変化は「特筆すべき」とはなりませんが、すでに高いといわれていた2018年から2021年にかけて、このようなことが5桁デイトジャストに起こったのは「凄い」ということになると思います。
実際、5桁のデイトジャストは、スポーツモデルでもなく、現行でも、ヴィンテージモデルでもないわけで、現在、「人気要素」や「レア要素」などが見出しづらい存在だといえます。
そうであるがゆえに、これまでそれほど目立った値動きとはなっていなかったわけで、特に16233のシャンパン文字盤はそういった傾向が強くありました。
しかし、今年2021年という年は、そういったハンディがあるといえる存在も上昇するという様子になっているわけです。
16234青文字盤は、16233シャンパン文字盤と比べるとそこまでのハンディがある存在ではありませんが、それでも今回のように「3年3ヶ月で25万円ほどの上昇」という値動きは、凄いといえる変動だといえるかと思います。