腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

34mmで500m防水、ポルシェデザイン『オーシャン500』3503-001

2016年8月12日更新
IWCのポルシェデザインについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2008年6月の安値(ヤフオク)と2016年8月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この8年2ヶ月での変動は2万5160円の値下がりだった。

オーシャン500 3503-001についての考察(2016年8月)

2000年頃、腕時計の選択肢の1つとして多くの時計店でも扱われていたポルシェデザインポルシェというブランドとIWCがコラボしたこの時計は、名前のブランド力だけでなくチタンケースに2000m防水というオーシャン2000を筆頭に中身もかなり実力派。2000m防水のために42mmという当時としてはかなり大型なオーシャン2000に対してオーシャン500は34mm。34mmで500m防水を実現するってのもレアだと思います。

IWC(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2008年6月
の安値(ヤフオク)
2016年8月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ポルシェデザイン
オーシャン500
3503-001
中古 8年
2ヶ月
¥185,000 ¥159,840 -25,160 86.40%

ポルシェデザインに詳しくない人からすると、パッと見オーシャン2000と500は見分けづらいですが、いつの時代も30万円以上がオーシャン2000で10万円台がオーシャン500です。

ちなみに、by IWCと文字盤に書かれているのは90年代製造の後期型。

これだけの濃い内容の時計が10万円台とは嬉しいですが、ブレスレットが結構壊れやすく直しづらいので要注意

デザインは非常に近代的ですが、実はオーシャン2000の登場は1982年のこと。

これまた、高級腕時計のストーリーとして非常に価値の高い「軍からの要請」ということがきっかけ。

軍用かつ、高い技術力の“ポルシェ”っていう最強のイメージと、マニュファクチュールであるIWCが合体した内容、さらに高い防水性能ときたら腕時計の人気要素のてんこ盛り。

ただ、ポルシェといっても、この頃のポルシェデザインは自動車の『ポルシェ』とは無関係の会社でした。

その後、ゴタゴタがあって2003年頃に正式に自動車『ポルシェ』の関係会社となったポルシェデザイン。自動車ポルシェの関係会社となったため、現在の文字盤は『ポルシェデザイン』のフォントが自動車と同じものとなっています。

その頃には既に、IWCとの契約は終了し、現在作られている時計とIWCは無関係です。

とはいえ、1982年当時でこのデザインで2000m防水を実現したというポルシェデザインは、自動車のポルシェとは無関係であったとしても高い技術力という意味では共通しています。

IWCというとチタンの時計が他メーカーより多い印象ですが、このオーシャンシリーズこそチタンのその原型でしょう。

というより、チタン製の時計自体が出てきたのは90年代以降のこと。

1982年でこの内容ってのはだいぶ先進的な時計だったと思います。

この内容が10万円台というのがオーシャン500の魅力でしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。