ここでは服、靴、鞄を主力製品とするメーカーをファッション系ブランドとします。ファッション系ブランドはシャネルとエルメスを除いて長らく腕時計に力を入れてきませんでした。というよりも、服よりもよっぽど時計のほうが安いぐらいで、まったくもって力が入っていなかったと言っても過言ではありません。しかしルイヴィトンが2002年に高級時計に本格参入。それまでファッション系ブランドの時計は電池式のクオーツが一般的でしたが、機械式の時計を投入します。シャネルも同じく2002年にJ12を投入。シャネル初となる男性用腕時計はきちんと腕時計好きに受け入れられました。
〈覚えるべきファッション系ブランド〉
シャネル、ルイヴィトン
投資対象としてのファッションブランドの腕時計
ファッション系ブランドの時計は投資対象にはなりません。腕時計投資の話をすると、「自分が持っているグッチやアルマーニの時計も価値はあるか」と聞いてくる方がいますが、ズバリ、価値はないです。ここで言う価値とは、その人にとっての価値ではなく〝投資価値〞〝交換価値〞のことです。 ファッション系ブランドの時計をこよなく愛している方には申し訳ないのですが、ファッション系ブランドは長らく腕時計に力を入れてきませんでした。ファッション系ブランド時計のほとんどがクオーツムーブメント搭載で、定価も10万円以下。本人たちが高級時計として売る気がなかったのです。しかし、グッチやアルマーニと聞くと、高級ブランドという認識からか「高級腕時計である」と思ってしまう方が多数いらっしゃいます。高級ブランドと言っても、ファッション系と宝飾系では単価が違います。エルメスを含めたファッション系ブランド商品の最高値は1000万円もいかないでしょう。エルメスのバーキンや毛皮等を含めなければ100万円を超えることはめったにありません。一方宝飾系ブランドの最高値は1億円を軽く超えます。「高級ブランド」というくくりでは一見同じジャンルに見えても、実は単価がまったく違う。これがファッション系と宝飾系の大きな違いです。ただし、シャネルのJ12は例外で投資価値があります。また、J12と同じく2002年から力を入れているルイヴィトンの一部モデルも要注意です。
腕時計投資のすすめ 65-66,71-72ページより抜粋 |