トリチウムとは腕時計の文字盤に使われる発光塗料の1つである。1990年代後半までどのメーカーの腕時計にもよく使われた発光塗料であるが、1999年頃からルミノバが主流となった。両者の違いは、文字盤下部にある表記を見ると分かる場合が多い。
という区別が行われている。
また、ロレックスはトリチウムの場合、
と表記されるが、
ルミノバを採用する文字盤は、
と表記され、ルミノバを示す頭文字『L』の表記はない。
発光塗料の性質
トリチウムは自らが発光する性質の発光塗料である。太陽光やライトの明かりを蓄積する“蓄光”のルミノバとは性質そのものが異なる。ルミノバは光を蓄積するため、光がない状態において一定期間を過ぎると発光機能が失われる。それに対してトリチウムは、自らが発光するため常に光り続けている。つまり、昼のように周辺環境が明るい状況においても発光し続けている。
トリチウムの寿命
トリチウムの半減期は約12年とされている。よって、生産されてから一定期間を減ると発光機能が失われる。光らなくなる期間は生産から5年後の場合もあれば10年後の場合もある。発光機能が失われる期間が短いという点においてルミノバより劣っている。
トリチウムの危険性
半減期という通り、トリチウムは放射性物質である。ただし、腕時計に使用されているトリチウムの放射能は微量であるとされ人体に与える影響は健康を害するほどでないとされる。