腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

ついに2000万円以上、ノーチラス3712/1A-001

2021年9月24日更新
パテックフィリップのノーチラス3712/1A-001について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年7月の安値と2021年9月の安値を比較し現在相場を考察。この1年2ヶ月での変動は998万円の値上がりだった。

ノーチラス 3712/1A-001についての考察(2021年9月)

2020年7月にこの3712/1A-001を取り上げた際、「お得感」という珍しい状況だったわけですが、なぜかというと、他のノーチラスと比べて「そこまで高くない」という水準だったからです。

この3712/1A-001は、2005年に登場したノーチラス初のコンプリケーションモデルですが、翌年2006年に5712/1A-001に改められたため、わずか1年しか生産されていないという希少モデル。

見た目がそっくりな両者ですが、3712/1A-0015712/1A-001には、腕時計ファン目線ではグッと来る「差」があります。

具体的には、3712/1A-001ワンピース構造という点が最も大きいのですが、その他にも文字場のバーインデックスの一部の長さが異なるといった違いがあります。

生産期間が短いことと、先のようなレア要素があるために、この3712/1A-001は、生産終了となった2006年頃の段階で、すでに「希少モデル」というキャラクターとなっていました。

2005年前後に出たノーチラスには、この3712/1A-001の他にも、レアモデルがあるのですが、それらが「レア」と認識され始めたのが2010年代になってからと、遅かったのに対し、3712/1A-001早い段階からレアモデルとされていたわけです。

そして、「レアモデル」だけあって、この3712/1A-001の相場は、5712/1A-001など、他のノーチラスと比べて「ずいぶん高い」という水準が当たり前だったのです。

実際、ノーチラスのほとんどが1000万円以上となっていなかった2019年1月の段階で、この3712/1A-0011260万円という価格帯に位置していたわけです。

しかし、2020年7月、そんな3712/1A-0011180万円という価格で入手可能という状況。その時期といえば、下落トレンド真っ只中かつ、ノーチラスが全体的に安くなっていた傾向がありましたが、それでも、他のノーチラスとの“差”という視点では「お得感」があったのです。

そんな3712/1A-001ですが、そういった状況を是正するかのように、随分派手に値上がりしている様子があります。

では現在、この3712/1A-001はどうなっているかというと、なんと2178万円という様子。

この1年2ヶ月での変動額が、998万円の上昇という「凄まじい値上がり」であることに驚くのはもちろん、ついに2000万円以上という価格帯に達しているのです。

それと同時に他のSSノーチラスが、1000万円~1500万円程度という状況の今、この2000万円以上という水準は、レアモデルらしい価格に戻ったともいえます。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります
PATEK PHILIPPE パテックフィリップ ノーチラス 3712/1A-001 未使用 326292

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年7月
の安値
2021年9月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
3712/1A-001
中古 1年
2ヶ月
¥11,800,000 ¥21,780,000 9,980,000 184.58%

なお、この記事の個体は、未使用品という凄まじいコンディションでありますが、ABランク3712/1A-001と同じ価格だったため、これを相場として紹介しています。

5711/1A等が1000万円以上という水準に達している今、3712/1A-0012000万円以上という価格は、過去の関係(2020年以外)を見ると、違和感ないと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。