リーマン・ショック後の2009年8月において約12万円という水準だったマルイ限定。
当時、約12万円という価格帯で他に何が買えたのかというと、ムーンウォッチの3570.50がそれに該当します。
スピードマスターの価格序列は、基本的に搭載されているムーブメントに決定付けられる傾向で、安い順に『ETA2852、7750、レマニア、フレデリックピゲ』となります。
そして、このマルイ限定には2852が搭載されているわけですから、序列的には最も下。そうはいっても、2009年にムーンウォッチと同水準だったというのは、「限定モデル」ということと、「見た目の格好良さ」が評価されていたのでしょう。
しかし、そんなマルイ限定は、2018年9月の段階で、驚くほど上昇。その時点で約59万円となっていたのですが、当時、ムーンウォッチは「30万円台になったばかり」という状態だったため、「随分な差」となっていたわけです。
そういったことがあったため、マルイ限定には、その後も「伸びる」という期待感があったといえます。
けれども、その後マルイ限定は緩やかに下落。2020年2月には約48万円となっていました。
そして、その後もマルイ限定は、あまり目立った動きがないという状態が長らく続いていたわけですが、ここにきて、「久々に目立った動き」となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年2月 の安値 |
2021年9月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
スピードマスター マルイ限定 3510.21 |
中古 | 1年 7ヶ月 |
¥484,000 | ¥767,800 | 283,800 | 158.64% |
それこそが、現在の約76万円という状態なのですが、これは2020年2月水準に対して約28万円の値上がりとなっています。
それと同時に、これまで見たピーク水準である2018年9月の約59万円をも随分上回っている状況です。
今回、マルイ限定は70万円台という水準に達したわけですが、2009年に10万円台という評価だった腕時計が、ここまで高くなるというのは時代が変わったという印象になります。
2009年頃においては、こういった値動きはロレックスが主という感覚があったといえますが、今やオメガの廉価モデルですら、こんな上昇をするという事例があるわけです。