以前から、お得感のあるプラチナパテックフィリップとして紹介している、クロノメトロゴンドーロ。
この5098P-001の相場変遷は、まるでロレックスのミルガウスのようだといえ、デビュー当初は「高嶺の花」といったキャラクターだったのが、今や「安価(相対的に)」といった状況になっているという点が共通しています。
ちなみに、ミルガウス116400GVも、この5098P-001もデビューしたのは2007年と同様。2007年に“何かがあった”というわけではありませんが、面白い偶然だと思います。
さて、そんな5098P-001ですが、現在水準はどうなっているかというと、253万円という状況です。
これは、2020年5月水準よりも5万円ほどの値下がりでありますが、「あまり変わっていない」と表現できるでしょう。
ただ、この「変わらなかった」というのは、今のパテックフィリップ事情においては重要であります。
というのも、先日お伝えしたとおり、今やカラトラバの5169J-001が270万円台という水準に達しているからです。
となると、もうお気付きのとおり、この5098P-001、なんと今、プラチナではないK18の手巻きカラトラバよりも安価という状態なのです。
かつての常識では、プラチナパテックという存在は、まさに「憧れ」といったキャラクターで、その価格帯は「K18とは比べ物にならないほど高い」というのが当たり前でした。
しかし、今やエントリーモデルに位置する5196J-001が約277万円という状況である一方、この5098P-001は253万円で購入可能。
つまり、プラチナモデルのほうが、24万円ほど安く買えるのです。
さらに、これら2本は「同世代」であります。『1世代前のプラチナモデルと、新しいYGとの比較』といった条件ですらありません。
むしろ、2004年デビューの5196よりも、5098P-001のほうが新しいわけで、内容的にも「上級モデル」というポジション。
そうであるにもかかわらず、5098P-001が5196J-001よりも24万円安価というのは、少し前では考えられないことだと思います。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年5月 の安値 |
2021年10月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
クロノメトロゴンドーロ 5098P-001 |
中古 | 1年 5ヶ月 |
¥2,585,000 | ¥2,530,000 | -55,000 | 97.87% |
なお、この5196J-001のこれまでの主だった中古水準は、
となっています。
2018年頃までは、「かろうじてリーマン・ショック後水準よりも“高値”」という状態でしたが、2019年4月に210万円台となって以降は、「リーマン・ショック後水準よりも“安価”」という状態が続いているわけです。
その結果、今やこの5098P-001はカラトラバ5196J-001よりも安価という状態。
これぐらい相対的に安価となった今、筆者としては、5098P-001がものすごく興味深い1本に見えてきてしまいました。