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現在相場考察

今パテックフィリップには何が起きているのか、年次カレンダー5396G-011

2021年10月8日更新
パテックフィリップの年次カレンダー5396G-011について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年10月の安値と2021年10月の安値を比較し現在相場を考察。この1年0ヶ月での変動は96万8000円の値上がりだった。

年次カレンダー 5396G-011についての考察(2021年10月)

小窓カレンダータイプの年次カレンダーの元祖は、WEMPEの限定モデルとして登場した、5125ですが、初のレギュラーモデルとなったのが、この5396です。

ただ、当初5396の文字盤には、1930年代のカラトラバをモチーフとしたデザインが採用。それはそれで魅力的なのですが、「少し変わったパテックフィリップ」という見た目ともいえます。

そして、デビューから4年ほどのブランクを経て、2010年に登場したのが、この5396-011。これは、WEMPE限定モデルのような方向性のデザインで、あえていうならば「パテックフィリップらしい」と感じられる見た目となっています。

そのため、人気モデルになりそうと思われるところなのですが、実はこれまで、中古相場は「ほぼ変化なし」といっても過言ではない状態だったのです。

実際、2016年⇒2020年の変化は以下となります。

  • 2016年7月 388万円
  • 2017年9月 380万円
  • 2018年11月 約360万円
  • 2019年9月 385万円
  • 2020年10月 385万円
  • 2018年に一旦下落したものの、それは、いつでも380万円台といったところ。2016年相場も、2019年相場も、2020年相場もほぼ変化がなかったわけです。

    そんな、5396G-011ですが、2021年の今、久々に「かなり目立った値動き」となっている様子。

    5396G-011の現在水準は、なんと約481万円にまで上昇しているのです。

    本記事で参考とした中古腕時計

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    PATEK PHILIPPE パテックフィリップ アニュアルカレンダー ムーンフェイズ 5396G-011 中古 426594

    本記事の価格比較

    腕時計 状態 期間 2020年10月
    の安値
    2021年10月
    の安値
    変動額 残価率
    パテックフィリップ
    年次カレンダー
    5396G-011
    中古 1年
    0ヶ月
    ¥3,850,000 ¥4,818,000 968,000 125.14%

    2020年10月水準が385万円、2021年10月現在が約418万円ですから、5396G-011のこの1年での変動額は、96万円ほどの上昇となります。

    過去5年にわたってほぼ変化なしという状態だったこの5396G-011が、このような値動きとなるのはインパクト大といえるわけですが、こういった動き方は、先日お伝えしたワールドタイムの5110P-001と同じだといえます。

    また、以前お伝えした、カラトラバ5196J-001の例もそうですが、このところ、パテックフィリップの非スポーツ系が、前代未聞な値動きとなっている状況だといえます。

    その一方、これまで派手に値動きしていたノーチラス5711/1Aなどは、4月頃からあまり変化なしといった状況。

    ですから今、パテックフィリップには、以前とは違う興味深い現象が起こっているといえます。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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