小窓カレンダータイプの年次カレンダーの元祖は、WEMPEの限定モデルとして登場した、5125ですが、初のレギュラーモデルとなったのが、この5396です。
ただ、当初5396の文字盤には、1930年代のカラトラバをモチーフとしたデザインが採用。それはそれで魅力的なのですが、「少し変わったパテックフィリップ」という見た目ともいえます。
そして、デビューから4年ほどのブランクを経て、2010年に登場したのが、この5396-011。これは、WEMPE限定モデルのような方向性のデザインで、あえていうならば「パテックフィリップらしい」と感じられる見た目となっています。
そのため、人気モデルになりそうと思われるところなのですが、実はこれまで、中古相場は「ほぼ変化なし」といっても過言ではない状態だったのです。
実際、2016年⇒2020年の変化は以下となります。
2018年に一旦下落したものの、それは、いつでも380万円台といったところ。2016年相場も、2019年相場も、2020年相場もほぼ変化がなかったわけです。
そんな、5396G-011ですが、2021年の今、久々に「かなり目立った値動き」となっている様子。
5396G-011の現在水準は、なんと約481万円にまで上昇しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年10月 の安値 |
2021年10月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
年次カレンダー 5396G-011 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥3,850,000 | ¥4,818,000 | 968,000 | 125.14% |
2020年10月水準が385万円、2021年10月現在が約418万円ですから、5396G-011のこの1年での変動額は、96万円ほどの上昇となります。
過去5年にわたってほぼ変化なしという状態だったこの5396G-011が、このような値動きとなるのはインパクト大といえるわけですが、こういった動き方は、先日お伝えしたワールドタイムの5110P-001と同じだといえます。
また、以前お伝えした、カラトラバ5196J-001の例もそうですが、このところ、パテックフィリップの非スポーツ系が、前代未聞な値動きとなっている状況だといえます。
その一方、これまで派手に値動きしていたノーチラス5711/1Aなどは、4月頃からあまり変化なしといった状況。
ですから今、パテックフィリップには、以前とは違う興味深い現象が起こっているといえます。