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腕時計特集

阿部泰治のパテック論 ~第78回~ 「Ref.5235/50R-001」 『レギュレーター アニュアルカレンダー』

2021年10月11日更新

みなさん、こんにちは。

今月から緊急事態宣言が全面解除となりましたが、完全にコロナ禍前の状況に戻るのは、まだまだ時間がかかりますし、引き続き注意喚起していかないとですね。私は年に2回ほど、香港で開催される時計オークションに参加し、香港にある時計屋さんを巡るのが恒例行事となっていたのですが、そろそろいつ行こうか?と考えてる今日この頃です。

さて、今回は以前パテックフィリップ論でも取り上げた、現行モデルで着用してみたいモデルの一つに選んだレギュレーター アニュアルカレンダー 18KRG「Ref.5235/50R-001」が入荷しましたので、ご紹介していきたいと思います。是非最後までお楽しみください。

【目次】
◆ 『レギュレーター
◆ 「Ref.5235/50R-001」 18KRG 『レギュレーター アニュアルカレンダー』
◆ まとめ

レギュレーター

レギュレーター アニュアルカレンダー』「Ref.5235G-001」が発表されたのは、今から10年近く前の2012年。発表当初から極めて出荷本数が少なく、デリバリーが始まってからもムーブメントに不具合が見つかり、生産自体がすぐにストップしてしまっている。なんて噂も耳にしていました。その当時、セカンド市場での販売価格は、国内正規販売価格よりも100万円ほど高い価格で取引きされていたと記憶しています。


※「Ref.5235G-001

私自身、初めてこのモデルを見た時は、古さと新しさが良い意味で融合された、斬新なデザインの時計という印象でした。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、フィリップ・スターン名誉会長の執務室に置かれていた”レギュレーター”の振り子時計からインスパイアを受け、この時計は制作されたといわれています。

早く「Ref.5235/50R-001」の話をはじめてくれよ!という声が聞こえてきそうですが、そもそも”レギュレーター”とは一体どのような時計なのか?ということを簡潔に説明だけさせていただきます。

レギュレーター
時針・分針・秒針がそれぞれ単体で独立しているもの。

通常の時計は、文字盤センターの1箇所に、時針・分針、場合によっては秒針がセットされていると思います。それにより、少なからず時間の誤差が生じやすいという問題がありました。本来、”レギュレーター”には”標準時計”という意味があり、置き時計や壁掛け時計に見られるもので、昔は時計師が時計を正確な時刻に合わせる為に利用していました。「Ref.5235G-001」は、【パテックフィリップ】の歴史において腕時計初となる”レギュレーター”モデルであり、【パテックフィリップ】の思いが込められた力作と言われています。

「Ref.5235/50R-001」 18KRG
レギュレーター アニュアルカレンダー』

「Ref.5235G-001」が2019年に生産終了となり、後継機として登場したのが今回ご紹介する「Ref.5235/50R-001」。

文字盤は今年の新作で発表されたカラトラバ 「Ref.6119G-001」に似ている!と思われた方も多いかと思いますが、グラファイト(黒に近い濃いグレー)×エボニーブラックの2トーンの文字盤は、縦にサテン仕上げが施されていて、光の当たり具合で色味の見え方も変わってくる、なんとも言えない味のある仕上げとなっております。

各インダイヤル・カレンダー窓はハッキリとした黒色、インデックス・外周スケール・カレンダー表示・針はメリハリの効いた白色と、視認性は非常に良いです。

レギュレーター搭載の時計といえば、CHRONOSWISS(クロノスイス)やBREGUET(ブレゲ)に見られる、至ってシンプルな、あるとしても日付表示が付くくらいのイメージであったのですが、ここはさすが”【パテックフィリップ】”。レギュレーターのデザインを損なわずにアニュアルカレンダーを搭載しております。一見「Ref.5205」「Ref.5905」にも見られる、各表示窓を文字盤上部に弧を描くようにして配置したものと思いますが、日付表示窓を6時位置インダイヤル内に配置することにより、よりスッキリとした仕上がりになっております。

また、【パテックフィリップ】の名作であるパーペチュアルカレンダー「Ref.3448」を彷彿とさせるケースデザイン、9時側に配されたカレンダー調整機能も秀逸ですね。

スケルトンバックから覗くムーブメントは、この時計のためだけに新たに開発されたと言っても過言ではない「Cal. Cal.31-260 REG QA」。22Kを使用したローター、髭ゼンマイ・アンクル・ガンギ車には”アドバンスリサーチ”モデルに採用された技術が詰め込まれております。

少し話が個人的な見解にはなりますが、このピンバックル(尾錠)のロゴの書体、可愛くないですか?(笑)斬新というかポップというか、今までの【パテックフィリップ】には見られなかった遊び心を感じます。

保証書日付は2021年1月。メーカーでの保証期間も1年以上残っております。使用によるスレや多少の小キズはございますが、ケースはもちろんノンポリッシュ。アリゲーターのベルトも未使用品が付いております。箱、冊子類などの状態も良く、付属は完璧ですね。

気になる販売価格は、4,999,500円(税込)

国内正規販売価格は、6,391,000円(税込)ですので、人とは被らない個性的なモデルをお探しの方には、是非ともオススメしたい1本です。

まとめ

レギュレーター”=”標準時計”は、時計師が時計を正確な時刻に合わせる為に利用していたなんて、男心くすぐるとても素敵な背景でしたね。

ドレスウォッチの中でも、また一味違ったデザイン・背景を持つ「Ref.5235/50R-001」 『レギュレーター アニュアルカレンダー』 。気になる方は、お電話でもメールでもお気軽にお問合せ下さい。

ではまた!

この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。
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