ルミノバは90年代後半頃から腕時計の文字盤に使われる発光塗料である。それまで使われていたトリチウムは放射性物質を含むのに対して、ルミノバは放射性物質を使わず発光する。トリチウムは自らが発行する性質を持つのに対して、ルミノバは太陽光や電気の光を蓄える“燐光”である。腕時計に採用されているルミノバは夜光として緑色に光ることが多いが、青に光るものも存在する。
腕時計の発光塗料を示す際『ルミノバ』と呼ばれることが多いが、正式名称は「ルミノーバ」もしくは「N夜光」であり、根本特殊化学株式会社の登録商標となっている。日本国内における「ルミノーバ」はネモトグループの1社である株式会社ネモト・ルミマテリアルが販売している。時計事業部として香港などに子会社を持つ。また、スイスにはLumiNova AG Switzerlandという子会社も存在する。
90年代後半に、ロレックスをはじめとする多くの高級腕時計の発光塗料がルミノバに変更され、文字盤表記もトリチウムの「T」からルミノバの「L」に変わった。この大きな変更点を日本の技術が支えているというのは非常に誇らしい。