今年2016年で発表された新型エアキング。他の新作もそうですがすでに市場に流通しています。
販売価格は59万8000円から70万円台までまちまちですが、かつてのエアキングと比べてかなり高い水準なことは間違いありません。
一つグレードが上であるエクスプローラ(214270)の新品が52万円ぐらいなので、それと比べてもかなり高い水準であることがわかります。
過去の例においても、ロレックスの注目される新作は高くなる傾向あり、ヨットマスターロレジウムやミルガウスはその典型例です。
しかし、いままでエアキングがここまで注目されることはあったでしょうか。
5桁リファレンス時代のエアキングはどちらかというと、エクスプローラの影に隠れている存在。
フォーマルかスポーツか、というとスポーツ寄りなイメージで、若々しいモデルだったのですが、エクスプローラの廉価版という印象は拭えませんでした。
2007年にモデルチェンジした6桁リファレンスのモデルはどちらかというとフォーマル寄りに。
そのデザインはオイスターパーペチュアルと差が分かりませんし、クロノメーター規格にもパスしているという中身の差異も微妙です。
文字盤の種類も5桁リファレンス時代よりも豊富になったことからより一層、エアキングの全体像が把握しづらくなりました。
しかも2014年頃には文字盤から「Air-king」の文字が消滅。エアキングの輪郭はますます微妙となったのです。
そして、この2016年に誕生したモデルの文字盤は1種類のみ。
エアキング専用の緑針とともに「これがエアキングだ!」と一目瞭然です。
エアキングの文字盤が1種類になるというのは初めてのことでしょう。
完全にスポーツ寄りのイメージにふったこの116900はエアキング史上、最も注目されているモデルとなりました。
1つのかっこいい文字盤を用意し「それがエアキングだ」とすぐに分かるシンプルさ。
スポロレ寄りの時計となったからというだけではなくこのシンプルさこそ、人気を支える秘訣なのだと思います。
多種多様な文字盤を選ぶことができる、というのはデイデイトやデイトジャストの良さであり、それをエアキングにも適応する必要はありません。
そして、今回のエアキングは文字盤の選択肢を5桁時代並に減らすというレベルでなく、1種類のみにするという決断。
これこそ、エアキングの大成功なのではないでしょうか。
とはいえ、今後白文字盤などいくつか文字盤のバリエーションが出る可能性はありますが、最初に新型を出す時のインパクトが非常に重要なので、今後違う色の文字盤出したとしても、むしろ“希少白文字盤”といって市場は良く捉えらえてくれるだろうとと思います。(iPhone4の白が出た際も多くのアップルファンに希少扱いされていました)