お知らせ
斉藤由貴生は、本を準備中のため、しばらくの間、短い文章でお伝えさせていただきます。
パテックフィリップのステンレスブレスモデルといえば、ノーチラスとアクアノートという印象ですが、2000年前後といった時代には「それ以外の選択肢」がありました。
それこそが、ネプチューンとスカルプチャーだったわけですが、これら2本はいずれも「ステンレス、ブレスレット」という内容のパテックフィリップです。
SSブレスレットという内容からすると、スポーティーなモデルというイメージになるかもしれませんが、ネプチューンとスカルプチャーはどちらも、いわゆる「一般的なスポーツモデル像」とはかけ離れています。
分かりやすくいうと、“クセがすごい”見た目となっており、好みが分かれるモデルだといえるでしょう。
そのため、SSブレスレットのパテックフィリップという要素を持ちながらも、これまでの中古相場はそこまで高くないという印象がありました。
今回お伝えするのは、スカルプチャーのほうですが、この黒文字盤は、2016年頃まで110万円台という中古相場で、当時のカラトラバよりも安価といった印象でした。
ただ、2017年になるとスカルプチャー5091/1A-010は140万円台に上昇。2018年には160万円台となったものの、2020年3月には150万円台に下落した経緯があります。
そんなスカルプチャーの5091/1A-010ですが、2022年の今、これまでとは随分異なる価格帯に変化。現在水準は、なんと297万円となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年3月 の安値 |
2022年1月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
スカルプチャー 5091/1A-010 |
中古 | 1年 10ヶ月 |
¥1,588,000 | ¥2,970,000 | 1,382,000 | 187.03% |
これまで、スカルプチャーは値動きがあったものの、2016年に110万円台だったのが、2018年に160万円台になったというのが最も大きな変動だったといえます。
しかしながら、現在の価格帯は290万円台。これまでとは、比べ物にならない価格ステージなったわけで、変動額も過去には見たことがない水準です。
5091/1A-010は、この1年10ヶ月で約138万円の上昇となったわけですが、こういった変動は、2020年夏以降のパテックフィリップらしい動きだといえます。
カラトラバの5196などもそうですが、2020年夏前まで「そこまで動かない」というモデルが、夏以降は値動きするようになった傾向がありますが、このスカルプチャーもその事例の1つだといえるかと思います。
とはいえ、2020年夏以降でも動くモデルとあまり動かないモデルがあるわけですが、このスカルプチャーが「ガバっと」動いたのは、やはりSSブレスレットモデルだったり、濃いキャラクター性ゆえに知名度がそれなりにあるといった要素があるからでしょう。
斉藤由貴生の新刊
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