オメガの金無垢モデルって希少です。ステンレスモデルだとオメガと遜色ない相場のブルガリやカルティエの金無垢モデルは珍しくありませんがオメガの金無垢は非常に少ないのです。というのもブルガリやカルティエは宝飾ブランド。つまり、オメガと単価の“上”が異なるのです。
ブルガリやカルティエのような宝飾ブランドの場合、安価なカジュアルラインも出す一方、億円単位の宝石も売っています。
億円単位の宝石を売っているというのは、それを買う顧客がいるということ。
近年、ブルガリというとドンキホーテに売っている香水のようなイメージで「ありがたみ」はだいぶ薄れましたが、億円単位の宝石をポーンと買う顧客を持っているブランドなのです。
億円単位とまではいかなくても、数百万・数千万円の買い物をする顧客を抱えています。
それに対してオメガの客単価は100万円以下が主でしょう。
つまり、オメガが得意とする価格帯において金無垢の時計は存在意義が薄いのです。
実際、オメガの金無垢モデルはロレックス等と比べて特段安いということもないので、どうせ金無垢を買うのだったらロレックスを買おうという発想にもなるでしょう。
とはいえ、オメガにはきちんと金無垢モデルが存在。タグホイヤーもそうなのですが、金無垢モデルの用意は無いわけではありません。
しかし、実際に流通している数はすごく少ない。
さらに、中古価格も同じ金無垢のブルガリやカルティエと比べて若干高めとお買い得感もありません。
例えば、ブルガリのクロノグラフ(CH35S)の金無垢バージョンはCH35Gはブレスレットまで金無垢のタイプでも100万円を切る価格で販売されていたりします。
それに対してこのスピードマスターデイトの中古価格は120万円以上。
ブルガリのクロノグラフは現在安い傾向とはいえ、ステンレス同士の比較ではブルガリのほうが高いのです。
なのに、金無垢となるとオメガのほうがだいぶ高いのです。
このように紐解いていくと、オメガの金無垢バージョンはなんとも割高な印象、となってしまいます。
ただ、普段見慣れたスピードマスターデイト、本来であれば10万円台で手に入る身近な時計が金無垢ってなんとなくツボです。
12万4000円がステンレス価格、その10倍が金無垢といった感じ。
クラスの同級生がアイドルになってしまったような感覚を覚えます。
そんな感じで、確かに高いという印象があるオメガの金無垢。
現在の価格だけ見ると、お買い得感の無い印象ですが、“売る”ということを想定した時にどっちなのかはわかりません。
つまり、将来的に高くなったら「投資価値」があったということですし、反対に安くなってしまったら痛いマイナスということになります。