陶器文字盤とはその名の通り陶器でできた文字盤のことである。セラミックやポーセレンとも呼ばれるが、腕時計においてセラミックとは主にシャネルのJ12のケースやブレスレット素材を指すことが多い。
『陶器文字盤』としての代名詞はパテックフィリップの“トロピカル”である。
3針、シンプルなカラトラバは通常コンプリケーションよりも安価な傾向があるが、トロピカルはコンプリケーションより高い場合が多い。
トロピカルという名の由来は、強い日差しでも文字盤焼けがないということから、バカンス用の腕時計と思われる。ただし、日差しには強い反面、陶器なので割れやすいという短所もある。
バカンスを彷彿せる高級品としてコートダジュール(Côte d’Azur)が名前の由来のベントレーの最高級コンバーチブル『アズール』がある。アズール、トロピカルの例のようにヨーロッパの最高級品は強い日差しとセットにされる傾向がある。
陶器文字盤の製造にはコストがかかるため、現行当時から他の腕時計と比べて高値かつ生産数が少ない。