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腕時計特集

~ 阿部泰治のパテック論 〜第96回目〜

2022年2月21日更新

本日は、第95回パテックフィリップ論の最後に軽く触れた、『ノーチラス』の中でも不動の一番人気「Ref.5711」のSS(ステンレススチール)モデル「Ref.5711/1A-001」と「Ref.5711/1A-010」が2本入荷しておりますので、ご紹介していきたいと思います。

【目次】
◆ 「Ref.5711/1A-001」 「Ref.5711/1A-010」 『ノーチラス』SS
◆ まとめ

「Ref.5711/1A-001
「Ref.5711/1A-010
ノーチラス』SS


※「Ref.5711/1A-001


※「Ref.5711/1A-010

1976年に登場した、ジャガールクルト社製ベースのムーブメント「Cal.28-255C」搭載の二針(時・分)モデル、初代『ノーチラス』通称”ジャンボ”「Ref.3700/1」。それから30年経った2006年。生誕30周年として、SS(ステンレススチール)ケースにブラックブルー文字盤、三針(時・分・秒)、自動巻ムーブメント「Cal.324 S C」を搭載し「5711/1A-001」が登場しました。


※「Ref.5711/1A-001

余談にはなりますが、時を戻すこと約4年。1972年に『ノーチラス』と同じデザイナーである《ジェラルド・ジェンタ》氏が手がけた、ジャガールクルト社製ベースのムーブメント「Cal.2121」を搭載した二針(時・分)モデル、【オーデマピゲ】初代『ロイヤルオーク』”ジャンボ”「Ref.5402ST」が登場しました。

こちらも生誕40周年にあたる2012年に、復刻モデルとして『ロイヤルオーク 』エクストラシンが登場し、今なお高い人気で価格も高騰しております。初代モデルに忠実に再現するため、名ムーブメントととして知られる「Cal.2121」を搭載し、二針モデルを引き継ぎました。


※写真左「Ref.5711/1A-001」、写真右「Ref.5711/1A-010

話をもどして、こちらのブラックブルー文字盤ですが、現代風でありながらも、初代『ノーチラス』「Ref.3700」を思わせるクラシックな色味であると思います。後に「Ref.5711/1A-010」にマイナーチェンジされると、より青みが増して光沢感が強くなりますね。


※「Ref.5711/1A-001


※「Ref.5711/1A-010

色味の違いもありますが、エンボス加工の幅が変更されたことにより、二段になって記載されている“PATEK PHILIPPE GENEVE”の大きさや位置も異なります。

ブレスレットのコマは両サイドネジ式で、後にマイナーチェンジされた「Ref.5711/1A-010」から叩いて抜くピン式に変わりました。(※リファレンスが変更となった初期には、ネジ式のモデルも存在)
実際にブレスレットの厚みを見比べたことはありませんが、ネジ式のほうが若干厚みがあるようです。機会がありましたら、是非とも比較してみたいですね。

「Ref.5711/1A-001」のスケルトンバックから眺めることが出来る、毎時28,800振動の自動巻ムーブメント「Cal.324 S C」 には、ジュネーブシールが刻印されています。ジュネーブシールのムーブメント採用期間は短いので、おススメのポイントと言えますね。

【ジュネーブシールとは】
優れた機能性と高い審美性を誇るジュネーブ製ムーブメントの保護と正統性の証明などを目的として1886年に設立された歴史ある品質規格。ブリッジの面取りやガンギ車の厚みといった12項目の規定があり、ジュネーブシールを取得しているということは、伝統的な技法で製造された、審美性の高いムーブメントであることの証明となり、取得するのも一握りの時計メーカーに限られている。

「Ref.5711/1A-010」に搭載されているムーブメント「Cal.324 S C」には、2009年に生まれた、ジュネーブ・シールの認定基準を超える、極めて高い独自の厳しい認定基準を設けたPP(パテック フィリップ)シールが刻印されております。時計業界において最も厳格な品質基準のひとつと言われておりますね。

「Ref.5711/1A-001」の保証書日付は2009年。外箱は付属しておりませんが、今では入手が難しい製造番号(ムーブメント、ケース)のシールが付いた箱が付属しております。その他、パスケース、冊子類の状態は良いです。

気になる販売価格は、26,378,000円(税込)

使用によるスレ・小キズは多少ございますが、ケース・ベゼルのエッジが立ち、ケース・ブレスレットのしっかりとした印象の良個体です。

「Ref.5711/1A-010」の保証書日付は2011年。パスケース、冊子類、箱の状態は良いですね。2022年1月にメーカーにてオーバーホール、外装仕上げがされておりますので、メーカー修理補助期間も2年近く残っております。

気になる販売価格は、26,950,000円(税込)

ケース、ベゼルの一部に研磨で取り切れなかった目立たない程度のキズはございますが、その他の箇所は目立つキズも無く、綺麗な状態です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

前回のパテックフィリップ論で「Ref.5711/1R-001」「Ref.5990/1A-001」。そして今回「Ref.5711」。『ノーチラス』全般の相場感が凄い勢いで上がっているのが、お分かりになったかと思います。

そんななか、特に全素材が生産終了となってしまった「Ref.5711」シリーズの動向は、気になる方も多いでしょうし、私も気になります。今後の展望を考えますと、安い!とは簡単には言えませんが、それだけ”動向が気になる=需要が高い”、、、買いのチャンスかもしれませんね。ご興味ございます方は、是非ともご来店でも・お電話でもお気軽にご相談ください。

ここのところ、『ノーチラス』、『アクアノート』はもちろんのこと、ドレス系の革ベルト仕様のモデルも良く売れております。わたくしと致しましては、大変嬉しいことでありますし、少しでも多く【パテックフィリップ】の時計をみなさまにお届け出来ればと思っております。

では、また!

この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。
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