16523といえば、これまでデイトナの中で最も値動きしないという傾向がありました。
特にそういったことが顕著だったのが2017年なのですが、同じ世代のSSモデル、16520が“最も派手に値動きする高級腕時計”という様子だった一方で、その豪華版である16523は、ほぼ動かなかったのです。
2017年の年末頃から、16523はかろうじて値動きするようになったものの、その動き方は16520と比べると『地味』そのもの。
ちなみに、16520と116520、16528と116528では、前者のほうが“高値”という傾向がありますが、不思議とコンビの相場は16523よりも116523のほうが高いのです。
そのようなこともあり、この16523は、長らく「最も安価なデイトナ」だったわけで、それと同時に、「最も値動きしないデイトナ」でもあったといえます。
実際、2017年の年末頃から値動きするようになったといっても、2021年12月までの値動きは、“100万円前後”という範疇に収まっているといえます。
「100万円の上昇」ということは、「凄い」と思われるかもしれませんが、他のデイトナの凄まじい値動きからすると、実は凄くないのです。
2017年12月において、16523は110万円台といった水準でしたが、2021年12月のボトム価格は210万円。2017年12月から2021年12月までの値動きは、“4年で100万円程度の上昇”といったところだったわけです。
さて、これまでそのような傾向があった16523ですが、今、その様子が激変している状況となっています。
というのも、この16523シャンパン文字盤の値動きが、この2ヶ月で98万円の上昇となっているからです。
先のように、16523は、2021年12月の段階では、4年かけてようやく100万円程度の上昇を果たしたという状況だったわけです。
それが、2021年12月⇒2022年2月においては、たったの2ヶ月で98万円の上昇をしてしまったわけですから、劇的な変化をしたといっても過言ではないのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年12月 の安値 |
2022年2月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ シャンパン文字盤 16523 |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥2,100,000 | ¥3,080,000 | 980,000 | 146.67% |
なお、この16523、シャンパン文字盤以外の水準はどうなっているかと、以下のようであります。
(いずれもボトム価格)
2021年12月において、最も安価だったのは白文字盤でしたが、その水準は約209万円でした。
現在、16523で最も安価なのは黒文字盤となっていますが、その水準をもってしても約272万円。いずれにしても、16523に劇的な変化が起きたことに変わりないといえます。
これまで、16520など他のデイトナと比べると“地味な値動き”という傾向だった16523ですが、2022年の今、他のデイトナにも負けないような「派手な値動き」となったことは、感慨深いといえるでしょう。