3800世代ノーチラスのK18モデル、3800/1Jは、リーマンショック後の2010年頃、130万円程度という価格帯で販売されていました。
ちなみに、3800/1Jには、青文字盤の他に白文字盤、金文字盤などがありますが、130万円程度という価格でどの文字盤色も手に入りました。
その際筆者は、青文字盤の3800/1Jが良いと思っていたのですが、もしもその時買っていたならば、2020年6月時点で約466万円になっていたのです。
そして、今に至っては、なんと約1500万円という状況。2020年水準よりも、さらに1000万円以上高くなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年6月 の安値 |
2022年3月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ノーチラス 青文字盤 3800/1J |
中古 | 1年 9ヶ月 |
¥4,665,750 | ¥15,096,000 | 10,430,250 | 323.55% |
なお、この記事の個体、3800/1Jとしては、非常に珍しい後期型であります。
3800は、1982年のデビューから2005年頃まで作られた長寿モデルのため、大きく3つの世代が存在。最終世代は“デイトのフォントがゴシック体(白背景)”、“バックルが観音開き”という特徴があります。
3800/1Jは、前期や中期などが多い印象で、後期を見ることはめったにありません。
また、後期の時代、SS、すなわち3800/1Aでは黒文字盤がメインとなっていたため、『青文字盤のノーチラス』は数が少ない傾向。そのため、この3800/1Jには、“後期のK18モデル”ということだけでなく、“青文字盤”というレア要素も含まれているのです。
そういった意味で、この“YG後期青文字盤”というこの個体は、超激レアアイテムだといえます。
なお、これまでの相場を見る限り、年式はそこまで影響範囲が大きくないため、この1500万円台という水準は、「後期ゆえの特別な評価」というわけではないと思います。
ステンレスの3800/1Aを見ていても、後期モデルの『青文字盤』が最もレアという印象があるわけですが、年式よりも「青文字盤」ということのほうが大きな評価基準となっている様子があります。
筆者は、ロイヤルオークの事例などでも、「年式が評価に反映されない」と指摘していますが、そういったことはノーチラスでも同様だといえます。
逆にいえば、“年式”が評価に一定の影響を及ぼすのはロレックスぐらいだといえるわけですが、今後ノーチラスやロイヤルオークなどに対して、多くの人の知識が今以上に深まっていったならば、その時は「年式」への関心が今以上に高まることだと思います。