2022年になってから『1ヶ月で数十万円高』といったニュースをお伝えする機会が多かったのですが、今回の事例はその逆。つまり値下がり事例であります。
1月、2月と上昇傾向が目立っていたわけですが、3月になるとそういった値動きが鈍化。
現在では、2月水準と大きく変わらないというモデルが多い印象です。
中には、2月時点よりも、現在のボトム価格のほうが安価といったモデルもあり、例えばデイトナ116500LN黒文字盤などがそれに該当します。
ただ、116500LNなどの場合、2月水準よりも安価となっているのは1、2個程度といった様子が見られるため、『値下がり』というよりは『値動きが停滞』といったほうが良いと思います。
しかしながら、今回お伝えするミルガウス116400GV黒文字盤については、1月時点のボトム価格よりも安価といった個体が15個程度もある状況。この状況は、1月水準よりも安くなったといえるため、分かりやすく“値下がり”だといえる事例です。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2022年1月 の安値 |
2022年3月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
ミルガウス 黒文字盤 116400GV |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥1,573,000 | ¥1,430,000 | -143,000 | 90.91% |
116400GV黒文字盤は、今年1月時点では、ボトム価格が約157万円という水準に達していましたが、現在水準は143万円にまで下落しています。
この2ヶ月の値動きは、約14万円の下落という状況なのですが、これは、これまで多く見られた『1ヶ月で数十万円高』の逆といえる状況であります。
116400GV黒文字盤の1月時点の様子は、2008年6月水準にまで迫るといった状況だったわけですが、その勢いが続いていたならば、今頃、2007年デビュー時水準超えとなっていても不思議でなかったといえます。
ミルガウスは、2007年のデビュー時に“大人気モデル”として扱われており、特にこの116400GVは、当時現行だったデイトナ116520を大きく上回る新品実勢価格でした。
つまり、2007年において116400GVは、現行モデルで最も高いモデル(SSにおいて)だったわけですが、その後のリーマンショックで大暴落したという経緯があります。
そして2010年代になってからは、“大人気モデル”という印象が薄れ、2017年頃まで、中古相場がリーマンショック時からあまり回復していないという状況が続いていました。
そのような経緯があるため、この116400GV黒文字盤が、2007年水準、つまり180万円超えとなることは、凄いドラマとなるはずだったのですが、クライマックスに近づいた瞬間、「下落」となったのが、まさに“今”の状況であるわけです。
一筋縄ではいかないのが、この116400GVらしい値動きだといえますが、今回の「下落」という値動きは、長年値動きを追ってきた筆者としては、“さすがミルガウス”と感動するほどの出来事だと感じています。