かつて“最も高価なSSモデル”(当時の現行モデルにおいて)という座に位置したディープシーのDブルー文字盤。
このDブルー文字盤は、2014年に新文字盤として追加されたのですが、スポーツモデルとしては初となるグラデーションの採用に度肝を抜かされたといえます。
グラデーション文字盤といえば、ロレックスでおなじみではありますが、このDブルー文字盤登場までは、デイトジャスト、デイデイトといった非スポーツ系への採用だったわけです。
グラデーション文字盤という存在に対して筆者は、『どことなく怪しく、それが美しい』といった感想になるわけですが、それがスポーツモデルに採用されたというのは、ものすごく魅力的だと思います。
そして、そのように思う方が多いためか、このDブルー文字盤はデビューするや否や、ものすごいプレミアムな価格となっていたわけです。
とはいえ、Dブルー文字盤の“最も高価”という状態は、長くは続きませんでした。
Dブルー文字盤は、2015年から最近まで、長らく“それほど大きな値動きをしない”という状態が継続。そのため、他のモデルにどんどん抜かされてしまい、今では「緑サブなどと比べると、そこまで高くない」といった立ち位置になっているのです。
実際、この116660Dブルー文字盤は、昨年10月の段階でも約156万円という状態だったわけです。
なお、2015年から2021年10月までの116660Dブルー文字盤の変化は以下の通り。
値下がりや、回復といった変化はあったものの、基本的には150万円前後といった範疇に収まる水準だったといえます。
さて、そのような状態だったこの116660Dブルー文字盤ですが、ようやく2022年3月という今、目立った上昇という様子がみられます。
では、現在水準はどうかというと、なんと198万円。
ようやく150万円前後といった状態から抜け出したといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年10月 の安値 |
2022年3月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
シードゥエラー ディープシー Dブルー文字盤 116660 |
中古 | 0年 5ヶ月 |
¥1,562,000 | ¥1,980,000 | 418,000 | 126.76% |
さて、この116660Dブルー文字盤ですが、2017年初頭ぐらいまで、SSモデル最高値(4桁などを除く)といった立ち位置となっていたわけですが、その後いろいろなモデルが上昇した一方で、Dブルー文字盤はそこまで値動きしなかった結果、次第に相場が逆転していってしまったのです。
筆者は、2017年10月において、この116660Dブルー文字盤とデイトナ116520白文字盤の相場が同水準となっていた際、『高いイメージのDブルー文字盤とデイトナ116520を比べるのが楽しい』と表現したのですが、2018年以降は116520のほうが高い状態となっています。
ではいつ頃から、116520が116660Dブルー文字盤に差をつけたのかというと、以下の通りです。
シードゥエラー 116660 Dブルー文字盤 | デイトナ 116520 白文字盤 |
2015年7月の安値 ¥1,500,000 2016年9月の安値 ¥1,259,670 2018年5月の安値 ¥1,671,840 2018年8月の安値 ¥1,575,750 2021年10月の安値 ¥1,562,000 2022年3月の安値 ¥1,980,000 |
2016年9月の安値 ¥1,098,000 2018年5月の安値 ¥1,574,640 2018年6月の安値 ¥1,639,440 2018年7月の安値 ¥1,732,000 2021年2月の安値 ¥2,068,000 2022年2月の安値 ¥3,618,000 |
2016年の下落トレンド時に、Dブルー文字盤は目立った下落をしたものの、その状態でも116520白文字盤に対して圧倒的な差をつけているという状態でした。
それが、2018年の6月頃を境目に、116520との相場が逆転。8月には、はっきり116660Dブルー文字盤のほうが安価という状態になっていたわけです。
そして、2021年からは116520が、さらにアクセルを踏んだような値動きとなったため、両者の差はぐーんと開いていってしまったのです。
その結果、116660Dブルー文字盤が、ようやく上昇をし、ボトム価格が198万円となった状態の今をもってしても、116520白文字盤との差は160万円以上もあるという状態であるわけです。