2021年9月頃から、上昇傾向となっているパシャCに対して、あまり目立った動きがなかったパシャ38mm。
このパシャ38mmというのは、パシャCに対する上級モデル。2000年前後という時期に“現行モデル”だった両者ですが、当時の新品実勢価格はパシャCが20万円台後半だった一方、パシャ38mmとなると45万円以上だったわけです。
その頃における45万円という腕時計の金額は、「どういったもの」だったかというと、定価を上回る新品実勢価格状態だったエクスプローラー14270水準と同等といったところ。エクスプローラーは、デイトナの次に高く、今でいう『緑サブ』のような感覚でした。
そして、パシャ38mmは、クロノグラフとなると更に高値。新品実勢価格は50万円台だったわけです。
そのような価格帯だったパシャ38mmクロノグラフW31030H3は、リーマンショック後の2011年2月という時期においても、中古相場が約36万円という状態だったわけです。
ちなみに、2011年の36万円という水準は「高い時計」という感覚。その後、2013年からはアベノミクスが開始されるわけですが、その事によって多くの腕時計は上昇。2011年に36万円程度だったロレックスは60万円台といった水準に上昇していきました。
その一方で、このW31030H3は、アベノミクス後に上昇することがなく、むしろ値下がりといった傾向に転じます。
そして、そういった傾向は長らく続き、昨年5月に『ここ5年で最も高い』といった状態になった時でも、2011年水準よりも安価という状態だったわけです。
そんなW31030H3ですが、2022年3月の今、ようやく2011年水準を超えるという状態に変化しているのです。
現在水準は、約37万円となっているのですが、これは2011年2月水準を1万円超えたといった状況であります。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年5月 の安値 |
2022年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
パシャ38mm クロノグラフ W31030H3 |
中古 | 0年 11ヶ月 |
¥327,800 | ¥371,800 | 44,000 | 113.42% |
2011年2月以降の主だったW31030H3の値動きは以下の通り。
現在水準は、ここ5年ぐらいの状況を見ると、結構な変化だといえます。
他のモデルと違って、最も安かったのが2017年、逆に高かったのが2011年というW31030H3ですが、現在水準は、10年ぶりの30万円代後半といった状況だといえます。