今回は「Watches and Wonders Geneva 2022」で発表されたばかりの【パテックフィリップ】の新作についてお話ししたいと思います。
私の個人的な意見としては、今年はいつになく豊作であったと思います。どのモデルも素晴らしく甲乙つけ難いのですが、私の中で特に印象に残ったモデルをご紹介していきますので、是非とも最後までお楽しみください。
【目次】
◆ 「Ref.5226G-001」 『カラトラバ』18KWG 《価格》 4’510’000 JPY(税込)
◆ 「Ref.5326G-001」 『アニュアルカレンダー トラベルタイム』18KWG 《価格》8’888’000 JPY(税込)
◆ 「Ref.5230P-001」 『ワールドタイム』PLATINUM 《価格》8’206’000 JPY(税込)
◆ 「Ref.5231G-001」 『ワールドタイム』18KWG 《価格》10’252’000 JPY(税込)
◆ 「Ref.5270P-014」 『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』PLATINUM 《価格》24’464’000 JPY(税込)
◆ まとめ
「Ref.5226G-001」
『カラトラバ』18KWG
《価格》 4’510’000 JPY(税込)
最初にご紹介するのは『カラトラバ』コレクションの最新作、18KWG(ホワイトゴールド)ケース採用の「Ref.5226G-001」
私の勝手な予想では、王道の流れを汲んだ「Ref.5196」の後継モデルが登場すると思っていたのですが、その予想を覆す斬新な『カラトラバ』。
まず一番に目を引くのが、外周に向かって濃くなるブラック・グラデーションの”テクスチャード・ラック・アントラサイト文字盤”。表面が経年による良い変化、劣化が起こった”ヴィンテージ”をイメージさせますね。針・インデックスの夜光もヴィンテージライクで良い感じです。
ケース径は40mm。ベゼルはスムースベゼルを採用し、ケース側面にはマニュファクチュールを象徴する《クルー・ド・パリ》のギョーシェ装飾が施されております。どこかブレゲのコインエッジを彷彿とさせ、今後の【パテックフィリップ】を代表するデザインとなりそうです。
スケルトンバックからは、『ノーチラス』にも採用されていたハック機能(ストップ・セコンド)を備えた自動巻ムーブメント「Cal.26-330 S C」を眺めることが出来ます。
このNEWモデルには、2本の交換可能なベルトが付属しております。ひとつはヌバック仕上げのベージュのカーフスキン。もうひとつはエンボス加工のファブリック柄に、ベージュのハンドステッチでコントラストを効かせたブラックのカーフスキンです。どちらのベルトも雰囲気が良く、その日の気分やスタイルで交換できるのは、嬉しいポイントですね。
「Ref.5326G-001」
『アニュアルカレンダー トラベルタイム』18KWG
《価格》8’888’000 JPY(税込)
このモデルを初めて見た瞬間、とにかく”カッコいい!”と思いました。それもそのはず、年次(アニュアル)カレンダーと、トラベルタイム表示機構を初めて統合したモデルなのです。
先ほどご紹介した新型『カラトラバ』「Ref.5226G-001」とケースデザイン、文字盤は似ておりますが、もちろん似て非なるものであり、文字盤の空間を余すことなく使われたそれぞれの表示窓、ムーンフェイズの配置バランスは、”さすがパテックフィリップ”の一言に尽きます。
常に現地の正確な日付を表示するために、トラベルタイム機構が年次(アニュアル)カレンダーを制御し、前進・後退、いずれの方向にも日付調整が可能となっております。
それを実現するために開発されたのが、新たな自動巻ムーブメント「Cal.31-260 PS QA LU FUS 24H」。精度、パフォーマンス、信頼性、安全性、操作の容易さを向上させる、8件におよぶ技術特許を出願中とのことで、これも驚きですね。
こちらも、ケース側面全周に《クルー・ド・パリ》のギョーシェ装飾を施し、外周に向かって色味が濃くなるブラック・グラデーションのアントラサイト文字盤を採用。わずかにざらつきのあるテクスチャーが印象的で、ヴィンテージライクな仕上がりとなっております。
さらにこのモデルも2本の交換可能なバンドが付属し(※先ほど同様のため説明省略)、デザイン面、機能面、どこを取っても非の打ち所がない素晴らしいモデルとなっております。時計本体はもちろんですが、新自動巻ムーブメント「Cal.31-260 PS QA LU FUS 24H」も1日でも早く見てみたいですね。
「Ref.5230P-001」
『ワールドタイム』PLATINUM
《価格》8’206’000 JPY(税込)
1950年代に発表されたモデルが元ネタと言われている、現代版『ワールドタイム』の三世代目「Ref.5230」。今回満を持して発表されたのは、シリーズ待望のPT(プラチナ)×ブルーダイヤル×ブルーカーフスキンストラップ仕様の「Ref.5230P-001」。
従来通り、24のタイムゾーンをひと目で把握でき、10時位置のプッシュボタンで簡単に1時間単位の調整ができる機能は、他のブランドにはない【パテックフィリップ】唯一無二の機能。
ダイヤル中心部には、手仕上げによる新たなサーキュラーパターンのギョーシェ装飾が施されています。この綺麗な文字盤も早く見てみたいですね。
スケルトンバックから眺めることが出来る、マイクロローター式自動巻きムーブメント「Cal.240 HU」は、2000年に『ワールドタイム』が再登場後、搭載され続けています。
「Ref.5231G-001」
『ワールドタイム』18KWG
《価格》10’252’000 JPY(税込)
1930年代にルイ・コティエがワールドタイム機構を発明して以来、【パテックフィリップ】では、『ワールドタイム』に世界の様々な地域をクロワゾネ本七宝の地図で装飾してきました。それはまさしく芸術の域であり、海外の時計オークションでは、熱心なコレクターの注目を集め、高値で落札されております。
今年の新作は、18KWG(ホワイトゴールド)ケースに、東南アジアとオセアニアのクロワゾネ七宝による地図を採用しました。
18KYG(イエローゴールド)ケースを採用した「Ref.5231J-001」は、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ大陸が描かれており、そちらもとても素敵な地図でありましたが、今回は地図上に日本もちゃんと存在しております。
入手困難なモデルであると思いますが、早く手に取って見てみたいですね。当店では、第二世代の『ワールドタイム』「Ref.5130」をベースとしたクロワゾネシリーズ「Ref.5131」/「Ref.5231J-001」を取り扱ったこともあり、私自身が『ワールドタイム』のクロワゾネに特段の思い入れがあることもあり、是非とも取り扱いたい1本です。
「Ref.5270P-014」
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』PLATINUM
《価格》24’464’000 JPY(税込)
2011年に登場した「Ref.5270」は、1941年に発表された初代『パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ』「Ref.1518」に始まる、数世代にわたる伝統を受け継ぐ歴史あるモデルです。
今年新作として発表されたのは、ブラック・グラデーションのラック・グリーン文字盤を配した「Ref.5270P-014」。これまた、ため息が出るほどカッコいいです、、、
スケルトンバックから眺めることができる手巻きムーブメント「CH 29-535 PS Q」は、時計好きであれば思わず見入ってしまいます。
グリーンのハンドステッチが入ったブリリアント・ブラックのアリゲーターバンドも、斬新でカッコいいですね。
『ノーチラス』「Ref.5711/1A-014」同様、短年でひっそりと終わってしまうような不安感もありますが、こちらも早く実物を見てみたいモデルのひとつです!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
冒頭でも述べましたが、今年の新作モデルは非常に豊作であったと思います。もちろん、まだまだ魅力的なモデルがあるのですが、私の中で特に気になるモデルをピックアップさせていただきました。
コミットに新入荷してくる際には、またそれぞれのモデルを深掘りしてご紹介したいと思います。是非ともいち早く入手された方は、自慢しにいらしてください。(笑)
ではまた!