2000年頃、白文字盤のムーンフェイズとともに“ちょっと高級なスピードマスター”としてデビューしたブロードアロー。
“ちょっと高級な”という表現については、先日の白文字盤ムーンフェイズ記事でも説明したように、『当時の売れ筋オメガ価格よりは“高い”ものの、ロレックス売れ筋モデルよりは“少し安い”といった価格帯』だったからです。
このブロードアロー3551.20と、ムーンフェイズの3575.20は見た目が似ているため、たまにどちらもWGベゼルと混同されていることがありますが、WGベゼルなのは3575.20のほう。このブロードアローは、ステンレスのベゼルです。
両者の違いは、ブロードアローが“フレデリックピゲムーブメント搭載”というように、内面的な高級さを意識しているのに対し、ムーンフェイズは、ムーンフェイズそのものだったり、WGベゼルの採用だったりと、“見た目で楽しめる高級感”といった方向性となっています。
これら両者の相場は、2016年頃まで30万円を切るぐらいといったところでしたが、2017年以降は両者とも30万円以上に上昇。ただ、その頃から、ムーンフェイズのほうが評価されるという傾向になったといえます。
そうはいっても、ムーンフェイズの白文字盤が30万円台中盤から後半だったならば、このブロードアローの白文字盤は30万円台前半か中盤といったところ。2018年9月に、このブロードアローの白文字盤は、約34万円となっています。
その後は、ブロードアローもムーンフェイズも、あまり大きな変動がなく、ブロードアローが35万円前後、ムーンフェイズが39万円程度といった状況が長らく続いていた印象です。
そんな両者でありますが、先日お伝えしたように、ムーンフェイズについては白文字盤が50万円台に到達。かなり高くなっている状況となっています。
では、白文字盤ブロードアローはどうなっているかというと、こちらもきちんと変動している様子。
現在水準は、約43万円というように、40万円を上回っているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年9月 の安値 |
2022年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
スピードマスター ブロードアロー 3551.20 |
中古 | 3年 8ヶ月 |
¥343,000 | ¥433,000 | 90,000 | 126.24% |
先のように、このブロードアロー3551.20は、長らく30万円台中盤といった水準が続いていたといえますが、それが40万円台になったというのは、かなり久々に目立った変化をしたという印象になります。
ただ、かつて同じような評価をされていたムーンフェイズは約56万円といった状態であるため、ブロードアローは大きな差をつけられてしまったといえます。
また、この約43万円という水準は、現在のムーンウォッチ(3570.50)と同水準。
2000年代前半において、3570.50は10万円台後半だった一方、この3551.20は20万円台後半といった価格帯だったと記憶しています。
実際、3551.20は「フレデリックピゲ搭載」の上級モデルという立ち位置であるため、本来の価格序列は3570.50よりも上。中古相場の観点でも、長らく3570.50よりも高い価格帯に位置していました。
スピードマスターに興味があるという方は、『人と違って』、『高級ムーブメントが搭載されている』というこの3551.20を気にかけてみてはいかがでしょうか。