PAM00010は白文字盤のルミノールベースですが、このリファレンスは裏蓋がガラス製の“裏スケ”仕様になる以前のモデル。1998年から2001年まで製造されて、2002年から裏スケとなりリファレンスが異なります。そして、98年から01年までのPAM00010には大きく2種類が存在。それは、文字盤の発光塗料がトリチウム仕様かルミノバ仕様かという違いです。パネライファンならご存知の通り、トリチウム仕様のパネライ、なかなか高値なのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2009年12月 の安値(ヤフオク) |
2016年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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オフィチーネパネライ
ルミノールベース トリチウム(A番,B番) PAM00010 |
中古 | 6年 8ヶ月 |
¥351,000 | ¥478,000 | 127,000 | 136.18% |
で、白文字盤はこの値段。
通常、トリチウム仕様といえば高くなる傾向があるのですが、白文字盤は黒文字盤と違って安値の模様です。
黒文字盤だと3・6・9のインデックス自体が発光塗料で表現されているため、トリチウムかルミノバかで印象が異なります。
しかし白文字盤の場合、発光塗料は秒のところの小さなドットインデックス。
これぐらい小さいとトリチウムとルミノバで見た目の印象が違うってこともありません。
というより、ルミノバのほうが発光塗料としては近代的。
ロレックスの場合、ルミノバ仕様のほうが高い傾向です。
ちなみに、トリチウムは昼夜問わず常に光を発する、自らが発光する性質。自ら発光するのは放射性物質だからです。
一方のルミノバは太陽光やライトの光を蓄積する、蓄光塗料。開発したのは日本の会社です。
90年代後半よりスイス製腕時計においてクオーツ並みの大インパクトを引き起こした発光塗料のルミノバ。
しかし、パネライではトリチウムのほうが高いという珍しい現象が起きているのです。
とはいえ、白文字盤のトリチウム仕様はそこまでの人気=高値というわけではありません。
ただ、安い時期の価格でも約35万円と他の時計と比べると底値は安定しています。
とはいえ、約12万円の値上がりというのは立派。
パネライ好き以外には違いがまずわからないでしょうが、この小さな違いが所有満足感を満たすのです。
また、A番B番(98年99年)はパネライブームが起こる以前の時期。
生産された数も少量ですし、その時期にパネライを選択したユーザーも少数です。
見た目こそ全く珍しくない白文字盤のルミノールベースですが、実はトリチウム仕様はかなりの希少モデルなのです。