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現在相場考察

久々の30万円台、パシャ38mmW31037H3

2022年7月14日更新
カルティエのパシャ38mmW31037H3について斉藤由貴生が執筆。本記事では2019年10月の安値と2022年7月の安値を比較し現在相場を考察。この2年9ヶ月での変動は¥73,700だった。

パシャ38mm W31037H3についての考察(2022年7月)

2021年夏から、パシャCが久々に上昇となっている一方で、このパシャ38mmについては、それほど目立った値動きとはなっていませんでした。

しかしながら、今年になるとパシャ38mmも上昇するようになり、今では3針やクロノグラフなどが、リーマンショック前の水準にまで回復といった様子となっています。

さて、パシャ38mmにはもう1つのモデルがあるのですが、それが今回紹介するGMTであります。

このモデルには、GMTとパワーリザーブインジケーターという機能が備わっているため、以前は「3針よりも高い」といった立ち位置となっていたのですが、2016年頃からは「3針と同水準」という立ち位置となっています。

パシャ38mmは、リーマンショック以降安価な状態となったわけですが、その際、3針が22万円程度で「驚くほど安い」という感覚だったといえます。

アベノミクス後は、多くの腕時計が上昇したわけですが、パシャ系はいずれも反応せず、長らくリーマン後水準と同程度といった様子が続いていました。

そして2016年頃から、GMTは特に安くなり、2017年には22万円程度となっていたほど。これは、リーマンショック後すら下回るといえたわけですが、それ以降このGMTのパシャ38mmは、20万円台中盤といった水準が目立つようになっていました。

前回、このGMT、すなわちW31037H3をお伝えしたのは2019年10月でありますが、その際でも約25万円という状態。やはり、そこまで大きく変わっていない状態だったといえます。

そんなW31037H3ですが、2022年の今、久々に上昇という様子を見せている様子となっており、現在水準は、なんと約32万円に達しているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2019年10月
の安値
2022年7月
の安値
変動額 残価率
カルティエ
パシャ38mm
W31037H3
中古 2年
9ヶ月
¥254,100 ¥327,800 73,700 129.00%

このW31037H3、2001年の新品実勢価格が約43万円(税別)、2003年が約58万円(税別)という状態で、定価は74万円(税別)でした。

2008年リーマンショック前の中古参考価格は37万8000円という数値であるわけですが、上記新品実勢価格を見ると妥当だといえます。

2008年までそのような価格帯に位置していたW31037H3は、2021年ぐらいまで長らく25万円前後といった水準だったわけですから、安い状態が続いていたといえます。

そういった経緯を踏まえると、現在の約32万円という水準は、長らい道のりを経た上での、久々の30万円台だといえるわけです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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