ジラールペルゴってスイス製の立派なマニュファクチュールでありながら、いつの時代も高級腕時計の世界では主流派という感じではありません。1969年にセイコーと同じくクオーツムーブメントを開発するほどの技術力があったり、ブルガリなどの他社にムーブメントを供給するなど、製造としての実力があるのブランドです。
ジラールペルゴの腕時計といえばフェラーリとコラボした時計やGP7000の存在が若干知られているといった感じ。しかし、この時計のようにクラシカルなイメージのものも存在します。
これ、見た目はパテックフィリップの3448のよう。しかし、3448が永久カレンダーであるのに対してこれは普通のカレンダーです。
パテックフィリップの場合、こういう形式の見た目は永久カレンダー機能を持つものにしか採用しませんが、ジラールペルゴやオメガは手動カレンダーにもこれを採用します。
ジラールペルゴの場合、せっかくマニュファクチュールなのですから、パテックの年次カレンダーのような、比較的安価で手に入る永久カレンダー機構を搭載して欲しかったと思います。
なお、定価と新品実売価格は以下の様な感じです。
参考定価:2,581,200円
2015年8月の新品価格:1,150,000円
2010年秋頃の未使用品:689,800円
これ、69万8000円だったら多くの人が飛びつきそうな価格です。
なおジラールペルゴは現在ケリンググループの傘下。
ケリングはLVMHなどと並ぶ高級ブランドの大きなグループですが、LVMHやリシュモンと比べると宝飾ブランドなどの超高価格帯を所有していないのが難点だと思われます。
ジラールペルゴと同じく、高い技術力を持つマニュファクチュールでありながら、技術力であったりマニュファクチュールであることが有名でないブランドとしてピアジェがありますが、ピアジェは自らが超高価格帯のブランドです。
一方ジラールペルゴはオメガクラスの価格帯なのか、100万円を超える価格帯なのか不明です。
よって、マニュファクチュールでありながら、『有り難み』を感じられるブランドとなるにはまだまだハードルが沢山ありそうなのが今のジラールペルゴなのだと思います。