筆者が、個人的に好きなブランドがピアジェなのですが、“好き”という感情面だけでなく、論理的に考えても「もっと中古相場で評価されても良いブランド」だと思います。
未だに古くからのマニュファクチュールであるという認知が少ないピアジェですが、その時計作りの真面目さだったり、上品さなどの魅力は、他のブランドにはない個性があると思います。
要素だけを見ていけば、パテックフィリップ等の3大ブランドのライバルともいえるピアジェですが、世界的に評価される傾向は乏しく、中古市場ではびっくりするぐらい安価となっているのが現状です。
そんなピアジェの中で、筆者が今魅力的だと思うのが、このプロトコールXLなのですが、この個体の約59万円という価格をみたときに筆者は「安い」と思ってしまいました。
とはいえ、プロトコールXLの中古個体はあまり出ないため、59万円という価格がどういったものなのか、ロレックスやパテックフィリップのように「感覚的にわかる」という人はあまりいないと思います。
実際、筆者も「安い」と感じた後に、本当にそうなのかと検証をしてみたのですが、2002年までさかのぼった結果、「安い」という感覚は、やはり間違っていなかったといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2002年5月 の新品実勢価格 |
2022年7月 の中古安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ピアジェ
プロトコールXL クロノグラフ GOA26036 |
新品 | 20年 2ヶ月 |
¥868,140 | ¥599,800 | -268,340 | 69.09% |
このプロトコールXLのクロノグラフは、2002年5月における新品実勢価格が約86万円(消費税5%税込換算)だったのですが、定価は140万円(税別)でした。
当時その価格帯に位置していた他のモデルは、パテックフィリップだとアクアノートの5065/1Aなどであるわけですが、そちらは今となっては600万円以上という中古相場。
アクアノートは凄い事例だとして、もっとマニアックなモデル、例えばブランパンのエアコマンドを見ても、2002年の新品実勢価格と比べると、2022年の中古相場のほうが高いという例は珍しくありません。
しかし、このプロトコールXLは、2002年の新品実勢価格約86万円に対して、現在、中古が約59万円で入手可能という状態。2002年水準よりも26万円安いのです。
ピアジェというハイブランドのK18モデル、なおかつ2000年代モデルのメンズサイズが、今の時代約59万円で購入可能というのは、びっくりといえるわけですが、「高すぎて買えない」と思っている方は、こういった時計を狙うのが良いのではないでしょうか。