デイトナの“革ベルト専用モデル枠”は、1991年に登場した16518から始まったといえますが、その最新世代に当たるのが、この116518LNです。
この116518LNには、革ベルトではなく、ラバーベルトが装着されているのですが、ポジションとしては116518の後継、つまり革ベルト枠だといえます。
高級腕時計の『ラバーベルトモデル』は、90年代に普及し始めたといえますが、その頃、パテックフィリップ(アクアノート)やオーデマピゲ(ロイヤルオークオフショア)といった雲上ブランドがラバーベルトモデルを登場させていました。
そういった流れから、ロレックスもラバーベルトモデルを登場させるのかと思いきや、全くラバーベルトモデルを投入することがなく、ようやく『ラバーベルトのロレックス』がデビューしたのは、2015年になってから。その際出たのがヨットマスターの116655でした。
ちなみに、ロレックス公式では『ラバーベルト』は“ベルト”ではなく“ブレスレット”と表現されています。
そして、ヨットマスターに続いて、2017年、デイトナにもラバーベルトモデルが投入されたわけですが、『ラバーベルトのロレックス』は目立った存在であるため、デビュー時から『人気モデル』といった感覚があったといえます。
この116518LN(シャンパン/インダイヤルブラック文字盤)のデビュー年における新品実勢価格は、約296万円(安い順の3社平均値)だったのですが、当時の感覚としては、「高い」という印象だったといえます。
なぜなら、2017年当時、116528の中古水準が250万円台程度だったからです。新作のラバーベルトモデルとはいえ、金の含有量が圧倒的に多い116528よりも、116518LNの相場が高いというのは割高感があったといえます。
そのため、116518LNは、“デビュー年が高くてその後はそこまで上がらない”となっても不思議ではありませんでした。
けれども、116518LNはその後しっかり上昇。2022年の中古相場は594万円(シャンパン/インダイヤルブラック文字盤のボトム価格)という状況であるのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年10月 の新品実勢価格(3社平均値) |
2022年8月 の中古安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイトナ シャンパン・ブラック文字盤 116518LN |
新品 | 4年 10ヶ月 |
¥2,967,267 | ¥5,940,000 | 2,972,733 | 200.18% |
2017年時点で、明らかに割高感があったといえる116518LNですが、その際、特別なことをせず(マラソン的なことをせず)購入できる新品を購入していたならば、それから今にかけて2倍程度もの上昇となっていたわけです。
デビュー時に注目されてその後伸びないモデルがある一方、このデイトナ116518LNは、デビュー年の新品実勢価格よりも、5年後の中古ボトム価格が2倍以上といった伸びとなっているのです。