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現在相場考察

デビュー年相場よりも2倍高い、デイトナ 116518LN(シャンパン・ブラック)

2022年8月7日更新
ロレックスのデイトナ116518LNについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年10月の新品実勢価格(3社平均値)と2022年8月の中古安値を比較し現在相場を考察。この4年10ヶ月での変動は¥2,972,733だった。

デイトナ シャンパン・ブラック文字盤 116518LNについての考察(2022年8月)

デイトナの“革ベルト専用モデル枠”は、1991年に登場した16518から始まったといえますが、その最新世代に当たるのが、この116518LNです。

この116518LNには、革ベルトではなく、ラバーベルトが装着されているのですが、ポジションとしては116518の後継、つまり革ベルト枠だといえます。

高級腕時計の『ラバーベルトモデル』は、90年代に普及し始めたといえますが、その頃、パテックフィリップアクアノート)やオーデマピゲロイヤルオークオフショア)といった雲上ブランドがラバーベルトモデルを登場させていました。

そういった流れから、ロレックスもラバーベルトモデルを登場させるのかと思いきや、全くラバーベルトモデルを投入することがなく、ようやく『ラバーベルトのロレックス』がデビューしたのは、2015年になってから。その際出たのがヨットマスター116655でした。

ちなみに、ロレックス公式では『ラバーベルト』は“ベルト”ではなく“ブレスレット”と表現されています。

そして、ヨットマスターに続いて、2017年デイトナにもラバーベルトモデルが投入されたわけですが、『ラバーベルトのロレックス』は目立った存在であるため、デビュー時から『人気モデル』といった感覚があったといえます。

この116518LN(シャンパン/インダイヤルブラック文字盤)のデビュー年における新品実勢価格は、約296万円(安い順の3社平均値)だったのですが、当時の感覚としては、「高い」という印象だったといえます。

なぜなら、2017年当時、116528の中古水準が250万円台程度だったからです。新作のラバーベルトモデルとはいえ、金の含有量が圧倒的に多い116528よりも、116518LNの相場が高いというのは割高感があったといえます。

そのため、116518LNは、“デビュー年が高くてその後はそこまで上がらない”となっても不思議ではありませんでした。

けれども、116518LNはその後しっかり上昇。2022年の中古相場は594万円(シャンパン/インダイヤルブラック文字盤のボトム価格)という状況であるのです。

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年10月
の新品実勢価格(3社平均値)
2022年8月
の中古安値
変動額 残価率
ロレックス
デイトナ
シャンパン・ブラック文字盤
116518LN
新品 4年
10ヶ月
¥2,967,267 ¥5,940,000 2,972,733 200.18%

2017年時点で、明らかに割高感があったといえる116518LNですが、その際、特別なことをせず(マラソン的なことをせず)購入できる新品を購入していたならば、それから今にかけて2倍程度もの上昇となっていたわけです。

デビュー時に注目されてその後伸びないモデルがある一方、このデイトナ116518LNは、デビュー年の新品実勢価格よりも、5年後の中古ボトム価格が2倍以上といった伸びとなっているのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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