サントスガルベの男性用といえば、LMサイズであるわけですが、その相場はこれまでおおよそ25万円前後(自動巻モデル)だったといえます。
そんなLMサイズのサントスガルベでありますが、近頃は数が減り、たまに登場すると40万円以上といった水準が目立つようになりました。
サントスガルベの中で最も上昇したのは、2005年登場のXLサイズ(LMよりも更に大きなサイズとしてデビュー)という印象があり、特にそのコンビモデルは数が少なく、中古個体が出るとすぐに売り切れるといった傾向もあるほど。
そのため、サントスガルベといえば、なんとなく『最も相場が変動するのはXLサイズ』といった印象があるといえますが、実はそうではないみたいです。
というのも、このLMサイズのグレー文字盤が、今ものすごい状況になっているからです。
サントスガルベといえば、基本的に白系の文字盤色となっているのですが、W20067D6にはサンレイのグレー文字盤が与えられています。
これは、ピアジェのスレートグレー文字盤に似ている色合いでありますが、登場したのは2002年。やはり、ピアジェのアップストリームやポロと同世代でした。
そんなW20067D6でありますが、これまでの中古相場は“高いとき”でも30万円程度といった傾向で、通常のLMサイズに対して5万円高ぐらいが相場だったといえます。
しかし今、W20067D6の中古相場は、なんと100万円超えといった状況。
2020年6月水準と比べると、実に72万円もの値上がりとなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年6月 の安値 |
2022年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
サントスガルベ W20067D6 |
中古 | 2年 2ヶ月 |
¥297,999 | ¥1,019,400 | 721,401 | 342.08% |
2年2ヶ月で72万円もの上昇という値動きをするカルティエは珍しいといえますが、この世代(XLがない時代)のサントスガルベがそのようなことになったのは、まさに“驚き”であります。
筆者としては、今回のW20067D6の動きを見て、真っ先に思ったのは、『アラスカプロジェクト』などオメガの限定モデルと動きが似ているという点です。
アラスカプロジェクトは、2016年の段階では特段“すごい評価”ではなかったのが、2018年12月までに急上昇。その際、2年5ヶ月で約70万円の上昇となっていました。
W20067D6は、2021年まで30万円前後といった状態だったわけですが、今年からいきなり100万円超えという状態に変化。アラスカプロジェクトと同様、急に評価されるようになったといえるわけです。
このサントスガルベは、アジア限定で出されたモデルで、通常のサントスガルベとは異なる見た目が新鮮な1本。そういったキャラクター性が、オメガの限定モデルと似ている部分だと感じますが、今後の評価もオメガの限定モデルのような“伸び”を見せるのか、興味深いところだといえます。