長らく、「相場が変わらない」ということが、逆に“個性”ともいえた中古IWCですが、このところ一部モデルが歴史的な変化を遂げている状態です。
先日お伝えしたインヂュニアのIW322701は、リーマンショック前=2010年だろうが、2020年だろうが「ほぼ同じ」という状態だったわけですが、今年8月に“それら水準の倍”という価格帯にまで変化したわけです。
インヂュニアに限らず、リーマンショック後(安い時期)もアベノミクス後(上昇)も、2017年以降(さらなる上昇)も「値動きしない」という特徴が中古IWCにはあったわけですが、2022年夏という今を境目に、その様子が一変している状況が見られるのです。
今回お伝えするのは、「パイロットウォッチ」として有名なメカニカルフリーガー。
このIW370607は、2009年⇒2017年までの8年間でたったの3万円の値動きにとどまっていたという過去があるわけですが、2017年6月⇒2018年4月の10ヶ月間で3万円の上昇となった事例があります。
インヂュニアよりは値動きしていたわけですが、IW370607に対しては「3万円の上昇」で凄いと感動できたわけです。
さて、そんなIW370607でありますが、現在水準はどうなっているかというと、なんと約47万円という状況。
今回の値動きは、約15万円の上昇であるわけですが、これはかつての「3万円の上昇」と比べると、ずいぶん大きく動くようになったといえるかと思います。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年7月 の安値 |
2022年9月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
IWC
メカニカルフリーガー クロノグラフ IW370607 |
中古 | 3年 2ヶ月 |
¥321,840 | ¥477,000 | 155,160 | 148.21% |
このIW370607のこれまでお伝えした状態は以下のようになります。
2009年6月⇒2019年7月までの10年1ヶ月間の値動きは71,840円の上昇。
上記の期間には、アベノミクスだったり2017年の上昇だったりが含まれるわけですが、そのようなイベントを含む10年間でも、IW370607は、7万円程度の値動きにとどまっていたのです。
それに対して、今回は、3年2ヶ月間で155,160円の上昇。
今回の値動きは、2009年⇒2019年の10年分の値動きの“2倍”という状態であるわけで、やはり大きな異変が起こっているという感覚になります。