カルティエとブルガリは、90年代後半から2000年代中盤頃まで、日本では「ロレックス・オメガ・カルティエ・ブルガリ」というように、最もポピュラーな高級腕時計の選択肢という印象がありました。
しかし、2010年代になると、ロレックス/オメガもしくは雲上ブランド、といった時計専門ブランドが時計ファンから好まれるようになり、カルティエやブルガリといった宝飾系の腕時計は以前ほどのポピュラーさがなくなっていったといえます。
そのためか、カルティエやブルガリの中古相場は、2000年代の人気度と比べると安価という印象で、あまり値段も変わらない傾向があったといえます。
例えば、ブルガリのスクーバクロノグラフSCB38Sは、2001年頃の新品実勢価格が約45万円と、当時1番人気だったロレックスエクスプローラーと同水準といった価格帯に位置。それが現在の中古相場は17万円程度(ABランク以上のボトム価格)となっています。
ちなみに、エクスプローラーの14270は、現在約66万円であります。
とはいえ、SCB38Sの約17万円という現在水準は、数年前と比べるとかなり上昇したといえる様子。
SCB38Sは、2020年頃まで長らく15万円程度という水準だったため、現在水準の約17万円は、「久々の上昇」という状態であるのです。
しかし、それに対してこのブルガリブルガリのクロノグラフは、現在でも2016年とほぼ変わりないといった状況。
カルティエの場合、2000年代前半世代頃のモデルが、2021年頃から上昇するという様子を見せているわけですが、ブルガリの場合、まだそういった事例はほぼ見られないのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年8月 の安値 |
2022年9月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ブルガリ
ブルガリブルガリ クロノグラフ ブレスレット BB38SSCH |
中古 | 6年 1ヶ月 |
¥169,560 | ¥168,000 | -1,560 | 99.08% |
このブルガリブルガリのクロノグラフモデルは、3針のブルガリブルガリが流行っていた真っ只中の2000年に、ブルガリブルガリ初のクロノグラフモデルとして登場したモデルです。
当時の3針ブルガリブルガリが33mmだったのに対し、このクロノグラフは38mmとかなり大きめ。それが当時の若い人に受け入れられていたようで、東京の繁華街では、当時デビューしたばかりのこのBB38SSCHをつけている若い人をよく見かけた記憶が筆者にはあります。
そんなBB38SSCHでありますが、カルティエとは異なり、今でも2016年水準と変わりないという様子。
カルティエの場合も、“長らく変わりない”という傾向が少し前までありましたが、2021年がターニングポイントとなったわけです。
もしも今後、ブルガリにもターニングポイントが訪れるならば、このBB38SSCHがどうなるか興味深いと思います。