特徴的な形を持つドレスウォッチは他の時計と明らかに違うわけですから所有している“満足感”をたっぷりと与えてくれそうです。とはいってもあまりに奇をてらった形の時計だと逆に“お遊び用”として「第三婦人」ぐらいの扱いになってしまいそう。このカレヒストリークのように基本に忠実だけど形に特徴がはっきりとある、という時計がまさに理想の「特徴的な形」なのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年12月 頃の最安値(タイムトンネル) |
2016年2月 の最安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ヴァシュロンコンスタンタン
カレヒストリーク 18KRG、手巻き |
中古 | 5年 2ヶ月 |
¥598,000 | ¥798,000 | 200,000 | 133.44% |
・裏スケ
・良いムーブメント
・ツヤっとした外観
・ゴールドモデル限定
・生産数少ない
というデータベースでかぶるのがまさにパネライのラジオミール(40mm)。
ヴァシュロンコンスタンタンのカレヒストリークが最初から“限定モデル”として出たのに対して、ラジオミールは限定モデルではありません。
パネライは全ての時計について生産数を決めていましたから、このラジオミールについて特に限定モデルという扱いにしなくて良いのです。
現在の、ラインナップの多すぎるパネライを見ると、ラジオミールと言われても「ありがたい」と思う人が少ないかもしれません。
しかし、パネライ全盛期の2001年頃、ラジオミールといえばパネライの最高級品だったのです。
当時のラジオミールはゴールドモデルのみのラインナップ。
さらに機械も「ゼニスエリート」と高級品を使用しています。
パネライブランド全体のラインナップも非常にシンプル。
・ルミノール44mm=手巻き(黒・白文字盤ステンレスorチタン)
・ベース
・マリーナ
・ルミノール40mm=自動巻(すべてステンレス)
・革ベルト
・金属ブレスレット(文字盤は黒・白・紺の三色)
・クロノグラフ
・ラジオミール40mm=自動巻(ピンクゴールド、ホワイトゴールド)
・その他モデル(限定モデルやGMT・パワリザなど)
という具合でした。
その中で裏スケなのはルミノールクロノグラフとラジオミールのみ。
(ちなみにどちらもゼニスムーブメントを採用)
まさに、ラジオミールは特別な存在だったのです。
しかし、2004年に変化がおこります。それまでドレスウォッチとしてゴールドモデルしか用意されていなかったラジオミールにステンレスモデル(ブラックシール)が登場。しかも大きさは45mmと巨大。
その結果、ラジオミールは訳の分からない存在に。さらにパネライ自体もラインナップが増えてなんだか訳の分からない状態に。。
すると今、このラジオミールを改めて見てみると、「良い時代のパネライだな」と思ってしまうわけです。
当然、同じように思っている方が多いわけで、ゼニスエリート搭載のラジオミールの実売価格は現在120万円以上。
対するカレヒストリークは70万円台から。
どちらの時計も現役だった頃、中古最安値は59万円ぐらい、新品定価は約120万円。
つまり、全く同じ価格=グレードの時計だったのです。
それが知名度のあるパネライラジオミールは100万円超え、知名度が劣るカレヒストリークは70万円台という相場なのです。
当然、カレヒストリークも値上がりしていますが、ラジオミールの価格を見るともっと高くなってもおかしくないことがわかりますね。