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現在相場考察

名品と呼ばれる安価な永久カレンダー、IWC『ダヴィンチ』パーペチュアルカレンダー

2016年8月27日更新
IWCのダヴィンチについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2012年7月の安値(ヤフオク)と2016年8月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この4年1ヶ月での変動は4万2000円の値上がりだった。

ダヴィンチ永久カレンダー 3750-003についての考察(2016年8月)

IWCの名品といえばダヴィンチ。そしてダヴィンチといえばこの永久カレンダーモデルのこと。これ、クラシックな見た目とは裏腹に実は1985年に出たモデル。見た目の雰囲気からは1985じゃなくて1885のような感じもしますが、20世紀の85年です。

IWC ダヴィンチ¥160,300〜¥3,663,000(2024年12月3日現在)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2012年7月
の安値(ヤフオク)
2016年8月
の安値(楽天)
変動額 残価率
IWC
ダヴィンチ永久カレンダー
3750-003
中古 4年
1ヶ月
¥1,016,400 ¥1,058,400 42,000 104.13%

この時計、最も画期的なのは永久カレンダー搭載なのに約200万円という定価。

永久カレンダーだと1000万円ぐらいするはず。なのにダヴィンチはそれよりだいぶ安い、というのは元からメーカー側が意図したこと。

画期的な永久カレンダーの機構によってこの価格を実現したといわれています。

よって新品実売価格は新品定価より安価な額ですし、中古に至ってはもっと安値。

10年以上前の中古相場は80万円台といったところでした。

それから若干上がったものの、そんなに高くもならず相場は安定しているといった状態です。

なおダヴィンチ、2000年代前半ぐらいまでは時計好きのコレクションに大体1本入ってるというぐらい存在感のある時計でしたが、ここ最近は「忘れられた」かのよう。

というのもダヴィンチ、売り情報を検索してもあんまり出てこない上に、非常に検索しづらいのです。

『ダビンチ』、『ダヴィンチ』、『ダ・ヴィンチ』など、その表記は様々。

そして実際売られている個体数そのものの数も少ないのです。

よって、ダヴィンチのファンはこの時計の存在を認識しているけれど、その他の人はこの時計の存在を忘れているかそもそも知らない、といったとこでしょう。

これ、内容が面白いだけに知っている人がもっと増えたら、もっと人気がある腕時計となっても良さそうな気がします。

だって、永久カレンダーでこの価格ですよ。

近年中国製のムーブメントを筆頭に20万円程度でも手に入れようと思えば手に入るトゥールビヨンとは異なり、永久カレンダーでそこまで安いモデルはありません。

ダヴィンチよりも定価ベースで安い永久カレンダーといえば、最近出たフレデリックコンスタントの120万円のやつでしょう。

また、安価なトゥールビヨンといってもスイス製のモノは100万円以上と中国製よりだいぶ高い価格。

IWCという高級マニュファクチュールが独自の技術で“手に入りやすい時計として”仕上げたこのダヴィンチ、とても面白い時計ではあります。

ただ、この時計、安いとはいえ永久カレンダーですからメンテナンスのお金はかかりそう。

また、永久カレンダー自体がデリケートですから、普段使いに耐えられるかにも疑問があります。

そして、過去の相場をみると横ばい状態

よって投資的な魅力にはかけますが、腕時計の機構として面白いというのがダヴィンチです。

特に西暦を4桁で表すっていう機能、他の永久永久カレンダーにはついていなかったりするので、デザイン的にも興味深い時計です。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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