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現在相場考察

約68万円の上昇、ラジオミールPAM00294

2022年11月1日更新
オフィチーネパネライのラジオミールPAM00294について斉藤由貴生が執筆。本記事では2020年2月の安値と2022年11月の安値を比較し現在相場を考察。この2年9ヶ月での変動は¥683,500だった。

ラジオミール PAM00294についての考察(2022年11月)

パネライは、1993年から一般販売された経緯がありますが、その原点は1950年代ごろにまで遡ることができます。

1950年代ごろのパネライは、ロレックスからムーブメント供給を受けており、イタリア海軍専用といった腕時計。一般販売はされていませんでした。

そして、1997年にパネライはリシュモングループ入りするわけですが、そのときに、そういった過去のパネライの凄さを象徴するモデルとして、ロレックスムーブメントを搭載したパネライ」が販売されたわけです。

それこそがPAM00021だったわけですが、デットストックのロレックスムーブメントを搭載し、プラチナケースという「いかにも高そう」な内容。また、販売数は最初から限定されており、その方法も「申し込み制」となっていた形跡があります。

そんな幻のPAM00021ですが、中古相場でもお目にかかれないのでは?と思いきや、2017年から現在までの5年間で、「1本」が日本の中古市場で売りに出されていました。

さて、そんな幻ともいえる21番ですが、実はそれと同じようなモデルがパネライにはもう2つ存在。

それが、232番と294番です。

どちらも限定モデルなのですが、“SSケース”かつ“ユニタス(ETA)ベースのムーブメント”という点が共通。21番の見た目そのままに、スペシャルな部分を一般化した内容となっています。

では、232番と294番の違いはなにかというと、PAM002322006年に限定販売されたモデル、PAM002942010年に限定販売されたモデルで「232番の裏スケバージョン」であります。

つまり、232番と294番の違いは「裏スケか否か」という差であるわけですが、実はこの2つにはもう1つ大きな差が存在。

それが中古相場の差であります。

232番は2017年から現在までにかけて60万円台といった水準となっている一方、294番は以前からその倍といった相場であるわけです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2020年2月
の安値
2022年11月
の安値
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ラジオミール
PAM00294
中古 2年
9ヶ月
¥1,211,700 ¥1,895,200 683,500 156.41%

なお、この294番のもう1つの特徴として「数が極端に少ない」という傾向があります。

232番は中古相場で常に「何本か売られている」という状態が珍しくありませんが、この294番は「売出しが0」ということが珍しくありません。

ですから、294番の相場が高いのは、そういったレアさゆえなのだと思います。

そして、そのように評価されている294番は、2020年2月⇒2022年11月で約68万円の上昇となっているわけで、しっかりと値動きしている傾向。

232番は2017年から5年もの間「あまり相場が変わっていない」という状態ですから、294番とは明らかに違う評価となっていることが分かります。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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