デイトナといえば常にプレミア価格の超人気腕時計。つい最近まで現行だった116520でも、それより1つ前の16520も100万円ぐらいするというイメージがあります。特に16520は“エルプリ”ムーブメントを搭載していることから116520よりも高値な傾向があります。そしてその16520、当時65万円が税別定価だったのですが、中古ですらそんな価格で売られていないというイメージがあります。それが、2012年頃は64万円という定価を下回る価格で売られていたのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2012年4月 の安値(ヤフオク) |
2016年8月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
デイトナ 白文字盤 T番 16520 |
中古 | 4年 4ヶ月 |
¥640,000 | ¥1,198,000 | 558,000 | 187.19% |
当然、64万円で買ったら値上がりするはずです。
そしてその額55万円以上。
これだけ人気のあるデイトナを
『買って⇒使って⇒55万円以上の値上がり』
なんて素晴らしい話です。
デイトナ16520の場合、年式によって仕様違いが多々あり、特に90年代前半のモデルと後半では相場が異なったりすることもあるので要注意。
この16520の時代、116520の時代、そして現行の116500LN、どの時代もステンレスデイトナの文字盤は黒と白の2つ。
人気なのは黒文字盤で、高値なのも黒文字盤。
ただし、文字盤交換が可能なため“文字盤交換をしたほうが安上がり”となるほどの価格差にはなりづらい白と黒。
とはいえ白文字盤は安く売られる傾向があり、黒文字盤が70万円を切ることがなかったのに対して60万円台になったのが白文字盤なのです。
しかし、値下がり状態から大きく値上がりしたのは白文字盤だと思います。
つまり、より安値になっていたから反発力が強い。
デイトナのような人気モデルの場合、人気が低い方に着目してみるとこのように「値上がり額は不人気のほうが高い」という例があることが分かったりするのです。
なお、16520と116520の白文字盤、三つ目のフチの色が違います。
そして、今年出た116500LNのフチは再度黒に戻りました。
今あらためて見てみると、黒フチ+銀色ベゼルという16520白文字盤の見た目、かっこいいと思います。
そしてこんなにかっこいい時計を買って⇒楽しんで⇒高値で売るなんて、なんてエリート思考な消費術なことでしょう。
デイトナに対して「いつかは買いたい」とか「最後の腕時計にしたい」などと思っていると“買い時”というチャンスを逃してしまいます。
64万円で買ったら、64万円という資産がなくなってしまうと思ったとしましょう。
これって損失リスクを減らす努力をしようとしている行為なのですが、この場合デイトナは約55万円値上がりしているので、逆に買わなかったほうがリスクなのです。
つまり、55万円の機会損失。
よって、64万円の時計を買って無駄遣いと思っている方がいたならば、機会損失ということを教えてあげましょう。