古くからのマニュファクチュール、なおかつ超高級ブランドという“良い要素”を持つピアジェ。
しかしながら、そういった要素とは逆に、中古相場ではあまり評価されていない傾向があります。
実際、これまでピアジェを取り上げる際は「良い内容なのに安い」という趣旨が主であり、「高くなった」ということをお伝えすることはなかったといえます。
けれども、今回そんなピアジェでようやく『高くなった』という事例をご紹介。
それがこのアップストリームのスレートグレー文字盤なのですが、2021年3月頃まで約39万円という水準で購入可能だったのが、現在では約46万円にまで上昇しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年3月 の安値 |
2022年11月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ピアジェ
アップストリーム GOA27050 |
中古 | 1年 8ヶ月 |
¥398,000 | ¥468,160 | 70,160 | 117.63% |
なお、このアップストリーム、ピアジェ初のステンレス採用モデルであり、2001年のデビュー当初は、
というシンプルな構成でした。
そして、それぞれ銀文字盤とスレートグレー文字盤が用意されており、全部で4種類程度といった分かりやすいラインナップだったわけです。
ただ、その後ピアジェはアップストリームに豪華モデルなどを用意。さらに、アップストリーム以外にもSSモデルを展開するようになるなど、分かりづらいラインナップとなっていきます。
そして、2016年には事実上の後継モデル、『ポロS』にその座を譲ったわけです。ちなみにその時点で、ピアジェブティックのベテラン風女性店員さんは、アップストリームを認知していませんでした。
そういったことからアップストリームは、内容の割に安く購入可能となっていたのでしょう。
なおアップストリームの中古相場は、基本的に機械式である3針のほうが高く、クロノグラフのほうが安価という傾向。2019年頃までクロノグラフは38万円程度が相場だったわけですが、2020年には下落し約30万円となっていたという経緯があります。
そんなアップストリームですが、今の相場ではクロノグラフが約38万円にまで回復。3針については、最安値が約46万円と、これまでよりも高い価格帯となり、ようやく「上昇」という値動きになっている様子です。
ただし、3針でも銀文字盤については、2016年4月が約49万円、2017年4月が約43万円と、以前から高い相場となっていたため、“高くなった”といえるのは「スレートグレーの3針」に限られます。