メカ好きの時計ファンから評価が高い、パテックフィリップの年次カレンダー。
今では「年次カレンダー」を搭載するモデルは多々ありますが、2000年代前半においての年次カレンダーは、すなわち5035といった印象だったといえます。
というのも、年次カレンダーというメカニズムを発表したのが1996年で、当初はこの5035のみに搭載。その後1998年に5036/1J、1999年頃に5056Pが出たものの、どちらも5035のバリエーション違い(5036/1はブレスレットモデル、5056Pはムーンフェイズ付きのPtモデル)といった具合で、『年次カレンダー=5035』とうイメージがあったわけです。
ただ、2004年になると、ゴンドーロに“小窓タイプ”の年次カレンダーがラインナップ。その後は、年次カレンダーのバリエーションが増えていき、『年次カレンダー=5035』という印象は薄れたといえます。
そんな5035ですが、ここ数年、中古相場での値動きが“ほぼ無い”という状態で、この5035G-022については2017年水準と2020年水準が230万円台と、ほぼ変わらないという状態でした。
また、この5035G-022、2015年10月水準が278万円だったわけですが、その後下落し、それから回復することがなかったため、2020年水準をもってしても「2015年水準以下」だったのです。
そんな5035G-022ですが、今回久々の「上昇」となったことにより、ついに2015年10月水準超えという様子に変化。
現在水準は、348万円となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年10月 の安値 |
2022年12月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
年次カレンダー 5035G-022 |
中古 | 2年 2ヶ月 |
¥2,387,000 | ¥3,480,000 | 1,093,000 | 145.79% |
この5035G-022に限らず、近頃5035系の値動きが活発化している雰囲気があります。
ただ、5035G-022は2016年や2017年などにおいて、5035の中でも特に目立って安価という様子があったため、今回の340万円台になったという状態は特筆すべき値動きだといえます。
また、5035は長らく『2015年水準がピーク』となっていたわけですが、今回やっと2015年水準を超えたことによって、7年2ヶ月ぶりの「高値更新」という状況になっているわけです。
なお、ワールドタイムも、“長きにわたって「2015年水準が最も高かった」という状態が続いていた”状態でしたが、これらはいずれも今年、2022年という年に『2015年水準以上』となった点が共通しているのが興味深いといえます。