プラチナやイエローゴールドといった素材は、上級ブランドでは“当たり前”といえますが、パネライについては実は珍しい存在であります。
もちろん、プラチナが“ラインナップされている”といえるのはパテックフィリップ等、高級腕時計の中でも上位に位置するブランドという傾向があります。ただ、パネライの2000年代前半頃までのラジオミールの価格帯は、プラチナがたくさんあっても不思議ではないといえたわけです。
とはいえ、2000年代前半までのラジオミールにはプラチナモデルが存在。特に65番は、パネライ全盛期の頃、“最も憧れなモデル”といった感じで知名度があったといえます。
ただ、中古として出てくるプラチナパネライはそれぐらいしかなかったのです。
実際、パネライが日本で流行った2002年までにデビューしていたプラチナパネライは3モデル程度。先の65番以外では、21番と77番しかなかったわけです。
21番は、ロレックスのデッドストックムーブメントを搭載したモデルで、77番はトゥールビヨン。どちらも超特別なモデルだったわけです。
そして、その後もプラチナパネライは少なく、おそらくそのすべてが「限定モデル」という位置づけとなっています。
また、2010年代になると、プラチナパネライの中古出現数は、2000年代と比べて少なくなり、特に2000年代前半において「よく見かけた」ともいえる65番は全く見かけなくなったほど。実際、2017年から現在までにかけての5年間で出現した個体は2個にとどまります。
ですから、プラチナパネライは何かと「レア」という感覚があり、プラチナであるがゆえに、中古個体は以前よりも高くなっていそうと思うところ。
しかし、実はプラチナパネライでもこのPAM00201は、2019年よりも安価という状態なのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2019年6月 の安値 |
2022年12月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ラジオミール PAM00201 |
中古 | 3年 6ヶ月 |
¥3,580,000 | ¥3,278,000 | -302,000 | 91.56% |
近頃といえば、値下がりという動きが多いわけですが、このPAM00201の“値下がり”は、それらとは性質が異なります。
今、値下がり気味となっているモデルの多くは、2022年春頃と比べて値下がり状態であるわけで、2019年水準と比べると「数十万円、数百万円単位で高い」わけです。
それに対して、この201番は2019年水準よりも現在のほうが30万円程度安いわけで、極めて値下がり状態といえる様子であります。
なお、この201番はどのような存在かというと、パネライ初の自社製ムーブメント搭載モデルとして、2005年に登場した限定モデル。SSの200番ともに出たわけですが、この201番はそのプラチナ版というだけあって、レアかつ高値という存在であります。
しかし、SSの200番が2018年12月⇒現在までにかけて値上がり状態となっている一方で、プラチナの201番は2019年6月⇒現在で値下がり状態。
SSの200番は約184万円、プラチナの201番は約327万円となっているわけで、プラチナを積極的に検討したいような状況となっているのです。