デイデイト希少素材文字盤の中でも、オニキスやラピスラズリ、マラカイト等は、「インデックスが無い」という特徴があるため、独特な魅力を放っているといえます。
中でもオニキス文字盤は、一見「黒文字盤」にみえるものの、通常とは異なりインデックスが「無」であることから、目立つ1本だと感じます。
これらインデックスが「無」となっている希少文字盤デイデイトの中でオニキスは最も中古出現率が高いといえ、おそらくこれらの中では最も安価という立ち位置となっているかと思います。
マラカイトなどの希少文字盤は、近年中古出現率が極めて低いため、今「どういった相場なのか」が不明ですが、オニキスは通年通して中古市場に存在するため、相場が分かるわけです。
そして、オニキス文字盤には、今ものすごい変化が起きている様子となっており、その相場は過去とは比べ物にならないぐらいの高い水準となっています。
前回、オニキス文字盤をお伝えしたのは、2017年と5年以上も前ですが、その際この18238オニキスの相場は約199万円でした。
それが今、オニキス文字盤の18238は約738万円となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年6月 の安値 |
2023年1月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
デイデイト オニキス文字盤 18238 |
中古 | 5年 7ヶ月 |
¥1,998,000 | ¥7,384,000 | 5,386,000 | 369.57% |
2017年と現在とでは、通常文字盤の18238相場も異なるわけですから、2017年⇒2023年の伸びが、こういった具合になるというのは「当たり前」と思われるかもしれません。
しかし、通常文字盤の場合、120万円前後が200万円前後になったという伸びである一方、オニキス文字盤は約199万円⇒約738万円という伸び。現在水準は2017年と比べて、実に3.6倍以上も高くなっているのです。
オニキス文字盤がこういった変化になったのは、おそらくロレックスの文字盤交換ルールが変わったからだと思います。
2017年において、18238は通常文字盤が約120万円だった一方、オニキス文字盤は約199万円。つまり、オニキス文字盤に対する評価が80万円近かったわけです。
けれども、実は2017年時点において、18238は通常文字盤からオニキス文字盤への変更が可能。筆者がその頃日本ロレックスに問い合わせたところ、「ダイヤなしのオニキスが15万円、2Pダイヤが30万円」という回答でした。
つまり、通常の18238を買ってオニキス文字盤に交換すれば、中古市場よりも65万円ほど安価にオニキスデイデイトを手に入れることができたわけです。
しかしながら、今となっては通常文字盤の18238からオニキス文字盤に交換するのは不可。これもまた、筆者が日本ロレックスに問い合わせた際の回答でありますが、現在「18238の変更可能文字盤としてオニキスはご案内がない」と伝えられています。
そして、今となっては、18238の通常文字盤とオニキス文字盤との相場差は500万円以上もある状態。
この数年で、オニキス文字盤への評価が一気に高まったわけです。