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雑誌「リベラルタイム」2月号に寄稿しました。斉藤由貴生自ら執筆した文章が2ページに渡って掲載されています。ぜひお買い求めください!
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ソロテンポ ST35S 黒文字盤 ブレスレット
ブルガリは、1990年代後半に、2つの「廉価モデル」を世に送り出しました。
1つは1997年に出たソロテンポで、もう1つは1998年に出たアルミニウム。
ソロテンポはフォーマルモデルで、アルミニウムはスポーツモデルだったわけですが、どちらも「ハイブランドが出したカジュアルモデル」という斬新さがあったといえます。
90年代後半という時期には、メルセデスベンツが初代Aクラスを発売したり、エルメスからもフールトゥが出たなど、「ハイブランドが出すカジュアル製品」というトレンドがあったように思えますが、ブルガリの2本は、時計界における代表的なそれだったといえます。
さて、そんな時代を象徴するソロテンポでありますが、非・スポーツモデルだけあって、2010年代までにかけての中古相場は「安価」という傾向がありました。
これまで、記事では何度か、このソロテンポ(ST35S)を取り上げているのですが、
というように、どの時期も「ざっくり5万円前後」という範囲だったといえます。
2011年といえば、リーマンショック後の“全体的に相場が安い時期”でありますが、その時と比べても「変わらない(むしろ安かったぐらい)」という状態が続いていたわけです。
しかし今、そんなソロテンポに異変が発生。
なんと現在、ST35Sは89,990円という状態にまで上昇しており、かつてのような「5万円前後」という価格帯から変わっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年3月 の安値 |
2023年1月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ブルガリ
ソロテンポ 黒文字盤 ブレスレット ST35S |
中古 | 2年 10ヶ月 |
¥54,780 | ¥89,990 | 35,210 | 164.28% |
なお、このST35Sという型番には、
という要素が全て含まれるため、「初代の黒文字盤ブレスレット」というように、同じ条件で比較することが重要です。
そして今、驚くべきなのは、同じソロテンポでも、新しいモデルよりも、1997年に出た初代のほうが評価されているという点です。
このST35Sの初代、ブレスレットモデルは、白・黒文字盤ともに、ほぼ10万円超えとなっているといっても差し支えない様子となっています。
現在ボトム価格は、この記事の個体の約8.9万円でありますが、その次に安価なのが、9.8万円の個体。そして、その次となると10万円以上となり、ST35S(初代、ブレスレット)は10万円超え個体のほうが多数派となっている状態です。
この初代ソロテンポは、これまで「5万円前後の選択肢」として紹介してきたわけですが、今回上昇したことにより、もはや上級モデルのブルガリブルガリ(同世代モデル)よりも高いぐらいの水準になっていることに驚きます。