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雑誌「リベラルタイム」2月号に寄稿しました。斉藤由貴生自ら執筆した文章が2ページに渡って掲載されています。ぜひお買い求めください!
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日本で「ロレックスブーム」といわれていた時代、ロレックスは5桁世代が現行モデルだったわけですが、その時のエアキングは、最も安価なロレックスという立ち位置(新品実勢価格において)でした。
5桁世代において、エントリーモデルは、“デイト無し=エアキング”、“デイト有り=オイスターパーペチュアルデイト”というように、はっきりとした棲み分けが存在。
実は、デイト無しのオイスターパーペチュアルもあったのですが、それはコンビモデルからのラインナップというように、きっちりとした線引があったのです。(エアキングはステンレスしか存在せず)
ただ、6桁世代になると、オイスターパーペチュアルのデイト無しモデルが登場。また、エアキングには、WGのフルーテッドベゼルを装着した、「豪華なモデル」が用意。旧6桁世代のエアキングは、キャラクターが“ぼんやりした”時期だったといえます。
そして、2014年頃からは「エアキング」の名前が文字盤から消え、オイスターパーペチュアルに事実上統合。“ぼんやり”どころか、消滅してしまったわけです。
けれども、2016年にエアキングはスポーツモデルとなって復活。それからは、ラインナップもSSのみとなり、再びシンプルに戻ったといえます。
そうなると、旧6桁時代のエアキングが「特殊だった」ということになり、無いものねだりという観点では、たまらない存在となるわけです。
特に、この114234のように、エアキングなのにフルーテッドベゼルという意外性は、その“たまらなさ”の筆頭格といえ、中古相場で評価されても不思議でないといえます。
しかし、116900が登場した2016年以降、114234は長らく評価されるということはありませんでした。
記事で初めて114234をお伝えしたのは、2017年6月でありますが、その際の水準は約45万円。2度目にお伝えしたのは2020年12月でありますが、その際の水準は約44万円。実に、2020年12月まで「値動きしていない」という状態が続いていたのです。
そんな114234でありますが、現在の様子はどうなっているかというと、約69万円。2020年以前と価格帯が明らかに違う様子となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年12月 の安値 |
2023年1月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
エアキング 114234 |
中古 | 2年 1ヶ月 |
¥448,800 | ¥698,000 | 249,200 | 155.53% |
筆者は、この114234を特にチェックしていなかったため、今回「約69万円になっている」ということに気づき、たいへん驚いたわけですが、過去相場を追ってみると、114234に転機が訪れたのは、2021年6月だったといえます。
114234は、2021年3月まで約45万円という状態が続いており、依然として「2017年から変わってない」という様子でしたが、その後「中古個体が0に」なり、6月にガバッと上昇したという経緯があります。
114234は、2021年6月に約65万円に到達したわけですが、現在水準は約69万円。2021年3月まで、5年以上にわたって続いた“変わらない状態”からは脱したものの、2021年6月から現在までの値動きは“4万円の上昇”といった程度。
依然として「一度動いたら、しばらく動かない」という傾向があるといえます。