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阿部泰治のパテック論 ~第142回~ 『ワールドタイム』クロワゾネ「Ref.5131/1P-001」

2023年1月27日更新

本年もコミットならびに、パテック論をよろしくお願いいたします。早速ではございますが、新年初となるパテック論に相応しいスペシャルなモデル『ワールドタイム』クロワゾネ「Ref.5131/1P-001」が入荷しておりますので、ご紹介していきたいと思います。

【目次】
◆ 「Ref.5131/1P-001」 『ワールドタイム』クロワゾネ Platinum
◆ まとめ

「Ref.5131/1P-001
ワールドタイム』クロワゾネ Platinum

「Ref.5131」『ワールドタイム』クロワゾネシリーズの大トリとして、2017年にPlatinum(プラチナ)ケース・ブレスレット仕様で発表された「Ref.5131/1P」。シリーズ唯一のブレスレット仕様となっております。

ここで簡単に、現代版『ワールドタイム』の”クロワゾネ”について振り返ります。

2008年に18KYG(イエローゴールド)ケースで発表された「Ref.5131J-001」。

文字盤中央部分には、クロワゾネで描かれた大西洋を中心としたヨーロッパ、アフリカ大陸、南北アメリカ大陸を見ることが出来ます。

翌年の2009年に18KWG(ホワイトゴールド)ケースで発表された「Ref.5131G-001」。

こちらは、ユーラシア、アフリカ、オセアニア大陸が描かれており、なんとなくではありますが、日本の存在を見つけることが出来ますね。



続いて2015年に18KRG(ローズゴールド)ケースで発表された「Ref.5131R-001」。

こちらは、太平洋を中心にアジア、オセアニア大陸、南北アメリカ大陸が描かれております。このモデルでは日本の存在をしっかりと見つけることが出来、個人的な感想ではありますが、配色含めたバランスが一番良いと思います。

そして、今回ご紹介するPlatinum(プラチナ)仕様の「Ref.5131/1P-001」。

こちらでは、北極を中心に北米とユーラシア大陸の北方が描かれております。正直に初めてこの文字盤を見た時は、色味的に控えめな印象が強かったです。ただ、最後の最後でプラチナケースを採用し、且つブレスレット仕様で登場したことは、私含め、パテックフィリップファンにとっては、ビッグサプライズであったかと思います。

ちなみに、『ワールドタイム』の後継モデル(現行機)にあたる「Ref.5230」でもクロワゾネは継承されており、2019年に発表された「Ref.5231J-001」では、大西洋を中心に右にヨーロッパとアフリカ大陸、左に南北アメリカ大陸が描かれております。実際に取り扱いましたが、本当に綺麗な文字盤でした。

また、昨年18KWG(ホワイトゴールド)ケースで発表されたのが「Ref.5231G-001」。

こちらは、太平洋を中心に東南アジアとオセアニア大陸が描かれ、シンプルな配色でありながら、落ち着きのあるキレイな文字盤。クロワゾネを採用した『ワールドタイム』自体そもそも希少であり、市場の出回りも極めて少なく、早く実物を見たいモデルです。

さて、話を戻しまして「Ref.5131/1P-001」の文字盤は、中心の北極や北方のアメリカ、ユーラシア大陸の上部が”雪”であるために白を基調としていると思われます。これまでのカラフルな文字盤と比べると、とても落ち着いた印象ですね。

文字盤をルーペでじっくりと眺めていると、そのクオリティの高さを改めて感じることが出来ます。とても手の込んだ趣のある文字盤です。クロワゾネの文字盤は仕上がりにムラがあり、不採用になってしまうモノもあるのですが、それも納得がいきます。

腕馴染みの良いブレスレットであるのは言うまでもないのですが、見た目以上にずっしりとした重みは、まさにこのモデルに相応しい仕上がりです。もちろん、6時側のケースには差別化されているダイヤモンドを確認することが出来ます。

サファイアガラスのスケルトンバックから眺めることが出来るムーブメントは、現代版『ワールドタイム』「Ref.5110」現行機まで採用されている、安定の「Cal.240 HU」。

保証書の日付は2018年6月。使用によるスレや小キズがケース・ブレスレットにございますが、ポリッシュなしと思われるしっかりとした印象の良い個体です。付属品は冊子類、パスケース、箱、外したあまりコマもしっかりと残っております。

気になる販売価格は、、、

と言いたいところだったのですが、コラムを書いている間に、販売に至ってしまいました。ごめんなさい、、、

SOLD OUT!!!

オークションピースになりつつあるモデルであり、価格推移を読むのは難しいですが、今後を考えるとまだまだ伸び代があり、やはりこういったモデルは動きが早かったです。年始一発目ではありますが、今年を振り返った時にも、私がオススメであったモデルの1本に入ってくるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

年明け早々、みなさまにこのような希少モデルをご紹介できたこと、大変嬉しく思っております。これから本格的な寒さになりますが、体調管理にはくれぐれもご注意いただき、是非とも元気な姿でお店にいらしてください。それでは今年も沢山のお客様のご来店をお待ちしております!

ではまた!

この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。
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