80年代ヴィンテージの今 第1段
80年代ヴィンテージとは、1980年代に作られたロレックススポーツモデルの一部。4桁世代から5桁世代に移行する際、比較的短い期間に作られた、過渡期のモデルといった存在であります。
サブマリーナ 168000
今日から3日間に渡って、「80年代ヴィンテージの今」についてお伝えするわけですが、その1本目として、サブマリーナの168000を選びました。
168000は、1980年代に出たモデルである一方、リファレンスは現在と同様「6桁」となっている稀有なモデル。まだ、6263や1016、1019といった4桁ロレックスが現行の頃、唯一「168000」という目立つリファレンスが与えられていたわけです。
ロレックスは、80年代において、徐々に見た目を変化させていったわけですが、その際、サブマリーナのノンデイトは「5513のまま、文字盤がアプライドになる」という変更にとどまっていました。
その一方で、サブマリーナデイトについては、フチあり文字盤が採用された際、リファレンスが16800となったわけです。そして、その後なぜか、16800は168000に変化。リファレンスは変わったものの、ムーブメントの変更はなく、その“違い”は何なのか、ということについて検証した記事も多数存在するほどです。
ここでは、16800と168000の違いについては、あえて触れませんが、重要なのは、80年代ヴィンテージに、こういった「謎」が多くあるという点であり、それこそが80年代ヴィンテージの最大の魅力といえるかと思います。
80年代ヴィンテージは、1999年頃においてすでに「アンティーク」として評価されていたものの、2010年代の中古相場は「5桁とあまり変わらず」となっていました。
そんな80年代ヴィンテージですが、転換期となったのは2018年で、この168000を含め、徐々に「5桁世代に差をつける」という状態になっていったわけです。
168000は、2018年12月において、『16610よりも10万円以上高い』という水準に達していましたが、2020年3月には『16610に対して20万円高』に変化しています。
そして、その後はさらなる上昇となり、2021年11月には約132万円に到達。
そして、現在水準は143万円といった状態です。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年11月 の安値 |
2023年2月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
サブマリーナ 168000 |
中古 | 1年 3ヶ月 |
¥1,326,000 | ¥1,430,000 | 104,000 | 107.84% |
168000は、この1年3ヶ月間で約10万円の上昇となっているわけですが、2021年11月⇒現在でこういった伸びとなるのは、そこそこ優秀といえるかと思います。
現在、16610は2021年10月水準と同程度といった状況であるわけですが、それと比べても、168000は優秀だということが分かります。ちなみに、現在168000と16610の相場差は約37万円と、以前よりもさらに“差”が広がっています。
80年代ヴィンテージは、2018年に「大きな伸び」となったものの、その後「停滞」するというモデルもあり、実際、現在水準が2018年と比べて値下がり状態というモデルが存在します。
しかしながら、168000については「2018年以降、きれいに値上がり傾向」となっているわけです。
ですから168000は、80年代ヴィンテージの中で、最も優等生的な相場といえるわけですが、なぜそのような評価となっているかというと、やはり「168000」という目立つリファレンスだからだと思いす。
「80年代ヴィンテージ」は今でも5桁世代との“差”が分からないという方がいらっしゃるかもしれませんが、そういった方でも「5桁の見た目なのに、リファレンスは6桁」と、168000には分かりやすいインパクトがあります。
ですから、そういった“分かりやすさ”ゆえに、この168000は評価されやすいのだと思います。