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現在相場考察

【1/3】80年代ヴィンテージの今、サブマリーナ168000

2023年2月2日更新
ロレックスのサブマリーナー168000について斉藤由貴生が執筆。本記事では2021年11月の安値と2023年2月の安値を比較し現在相場を考察。この1年3ヶ月での変動は10万4000円の値上がりだった。

サブマリーナ 168000についての考察(2023年2月)

80年代ヴィンテージの今 第1段

80年代ヴィンテージとは、1980年代に作られたロレックススポーツモデルの一部。4桁世代から5桁世代に移行する際、比較的短い期間に作られた、過渡期のモデルといった存在であります。

サブマリーナ 168000

今日から3日間に渡って、「80年代ヴィンテージの今」についてお伝えするわけですが、その1本目として、サブマリーナの168000を選びました。

168000は、1980年代に出たモデルである一方、リファレンスは現在と同様「6桁」となっている稀有なモデル。まだ、6263や1016、1019といった4桁ロレックスが現行の頃、唯一「168000」という目立つリファレンスが与えられていたわけです。

ロレックスは、80年代において、徐々に見た目を変化させていったわけですが、その際、サブマリーナのノンデイトは「5513のまま、文字盤がアプライドになる」という変更にとどまっていました。

その一方で、サブマリーナデイトについては、フチあり文字盤が採用された際、リファレンスが16800となったわけです。そして、その後なぜか、16800は168000に変化。リファレンスは変わったものの、ムーブメントの変更はなく、その“違い”は何なのか、ということについて検証した記事も多数存在するほどです。

ここでは、16800と168000の違いについては、あえて触れませんが、重要なのは、80年代ヴィンテージに、こういった「謎」が多くあるという点であり、それこそが80年代ヴィンテージの最大の魅力といえるかと思います。

80年代ヴィンテージは、1999年頃においてすでに「アンティーク」として評価されていたものの、2010年代の中古相場は「5桁とあまり変わらず」となっていました。

そんな80年代ヴィンテージですが、転換期となったのは2018年で、この168000を含め、徐々に「5桁世代に差をつける」という状態になっていったわけです。

168000は、2018年12月において、『16610よりも10万円以上高い』という水準に達していましたが、2020年3月には『16610に対して20万円高』に変化しています。

そして、その後はさらなる上昇となり、2021年11月には約132万円に到達。

そして、現在水準は143万円といった状態です。

本記事で参考とした中古腕時計

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【OH済】1987年〜88年 ロレックス サブマリーナー トリプルゼロ Ref.168000 トリチウム夜光 R番 ヴィンテージ

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2021年11月
の安値
2023年2月
の安値
変動額 残価率
ロレックス
サブマリーナ
168000
中古 1年
3ヶ月
¥1,326,000 ¥1,430,000 104,000 107.84%

168000は、この1年3ヶ月間で約10万円の上昇となっているわけですが、2021年11月⇒現在でこういった伸びとなるのは、そこそこ優秀といえるかと思います。

現在、16610は2021年10月水準と同程度といった状況であるわけですが、それと比べても、168000は優秀だということが分かります。ちなみに、現在168000と16610の相場差は約37万円と、以前よりもさらに“差”が広がっています。

80年代ヴィンテージは、2018年に「大きな伸び」となったものの、その後「停滞」するというモデルもあり、実際、現在水準が2018年と比べて値下がり状態というモデルが存在します。

しかしながら、168000については「2018年以降、きれいに値上がり傾向」となっているわけです。

ですから168000は、80年代ヴィンテージの中で、最も優等生的な相場といえるわけですが、なぜそのような評価となっているかというと、やはり「168000」という目立つリファレンスだからだと思いす。

「80年代ヴィンテージ」は今でも5桁世代との“差”が分からないという方がいらっしゃるかもしれませんが、そういった方でも「5桁の見た目なのに、リファレンスは6桁」と、168000には分かりやすいインパクトがあります。

ですから、そういった“分かりやすさ”ゆえに、この168000は評価されやすいのだと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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