80年代ヴィンテージの今 第3段(最終回)
80年代ヴィンテージとは、1980年代に作られたロレックススポーツモデルの一部。4桁世代から5桁世代に移行する際、比較的短い期間に作られた、過渡期のモデルといった存在であります。
エクスプローラー2 16550 白文字盤
さて、3日間に渡って考察してきた「80年代ヴィンテージの今」も、今回で最後となるわけですが、ラストを締めくくるのは、エクスプローラー2の16550としました。
16550には、黒文字盤と白文字盤、そしてアイボリーがあるのですが、アイボリー文字盤は1999年頃から、「(当時高かった)4桁世代と同じぐらいの評価」となっていた経緯があります。
他の80年代ヴィンテージ同様、16550も5桁世代、すなわち16570と見た目が似ているものの、「アイボリーが高い」というイメージや、ベゼルとデイトフォントが16570と明らかに異なることから、5桁世代との“差い”を感じやすいといえる側面があります。
そんな16550でありますが、2018年時点で白文字盤は150万円台に達していたわけです。
ちなみに、その頃黒文字盤は130万円台という様子となっており、文字盤色問わず16550は2018年においてかなりな評価となっていたといえます。
2018年当時、5桁世代、すなわち16570は50万円台だったことを考えると、16550は最も評価されていた80年代ヴィンテージ(最も同じモデルの5桁と相場差があった)だったといえます。
しかし、そんな16550の現在水準は、なんと2018年以下という状態。
この白文字盤は、2018年10月よりも現在水準のほうが28万円程安いのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年10月 の安値 |
2023年2月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
エクスプローラー2 白文字盤 16550 |
中古 | 4年 4ヶ月 |
¥1,580,000 | ¥1,298,000 | -282,000 | 82.15% |
そして、『2018年よりも2023年水準のほうが安い』ということは、黒文字盤でも変わらず。
2018年8月に16550黒文字盤は、約132万円となっていましたが現在水準は約127万円といったところ。
黒文字盤のほうが、白文字盤よりも「値下がりが弱い」ものの、いずれも2018年水準と比べて下落していることに違いありません。
現在の相場といえば、値下がりという印象がありますが、そうはいっても2018年水準と比べると「ずいぶん高い」というモデルは多数派だといえます。
そういった意味で、16550は今、かなりなお得感がある状態だといえます。
ではなぜ、この16550が、2018年をピークにあまり評価されていないのかというと、その答えは、他のモデルへの注目度が高まった結果、目立たなくなったというところだと思います。
16550は以前から「高い」というイメージがあるわけですが、他が高くなった一方でおいて置かれてしまった結果、いまのような状況になっているのだと思います。
筆者としては、16550にネガティブ要素を感じることがないため、今の状態は、シンプルにお得というように感じます。
80年代ヴィンテージは、分かりづらい値動きをしたり、そのキャラクターが謎めいた点がありますが、注意して見ていれば、この16550のような「お得モデル」があるのです。