チタンという素材をラインナップする高級腕時計ブランドは今でも少数派といえるかと思います。
例えば、ロレックスやパテックフィリップは「チタンのラインナップ」がこれまでなく、ロレックスについては、昨年デビューしたシードゥエラーディープシーチャレンジ(126067)が初のチタンモデルという状態です。
こういった情報を見ると、なんだか「価格設定が高めのブランドはチタンがないのでは?」と思ってしまうところですが、そういうわけでもなく、雲上の3大ブランドの一角であるオーデマピゲは、以前からチタンモデルに積極的です。
つまり、各ブランドによって、単純に“チタンを出す傾向と出さない傾向がある”というのが答えだといえます。
とはいえ、雲上ブランドのチタンモデルは少なく、「チタンの雲上」というだけでなんだか意外性があるようにも感じます。
オーデマピゲは、20年以上も前から、ロイヤルオークオフショアでチタンの採用事例が多いわけですが、この25721TI.OO.1000TI.06.Aは、かつて最も高かったラグスポといえる存在でした。
何度かお伝えしているように、2002年のラグスポ相場は、ノーチラスジャンボ/アクアノートラージが90万円程度、ロイヤルオーク17490/オーバーシーズラージが55万円程度といった新品実勢価格でした。
それに対して、この25721TI.OO.1000TI.06.Aは約125万円という新品実勢価格だったわけで、「抜きん出て高いラグスポ」という存在感だったといえます。
ちなみに、当時は、この25721TI.OO.1000TI.06.Aに限らず、ロイヤルオークオフショアは、その多くが「ノーチラスよりも高い」という価格帯だったわけですが、25721TI.OO.1000TI.06.Aといったチタンモデルは、「チタンという希少性、なおかつ高い」というだけあって、“手が届かない”という印象がよりいっそう強かったといえます。
そんな25721TI.OO.1000TI.06.Aでありますが、現在相場はどうなっているかというと、338万円。2002年の新品実勢価格と比べると、約212万円もの値上がりといった状態であるわけですが、2002年当時、これよりも安かったノーチラス、アクアノート、ロイヤルオークと比べると、決して高くないのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2002年6月 の新品実勢価格 |
2023年2月 の中古安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オーデマピゲ
ロイヤルオークオフショア 25721TI.OO.1000TI.06.A |
新品 | 20年 8ヶ月 |
¥1,252,125 | ¥3,380,000 | 2,127,875 | 269.94% |
2002年当時、この25721TI.OO.1000TI.06.Aよりも安価だったモデルは現在どうなっているかというと、以下の通りであります。
2002年当時の新品実勢価格:90万円前後
2002年当時の新品実勢価格:約55万円程度
この25721TI.OO.1000TI.06.Aは、2002年の新品実勢価格が約125万円とダントツに高かったわけですが、現在中古相場は338万円。まるっきり逆転してしまったといえます。
そういった意味で、25721TI.OO.1000TI.06.Aには、現在お得感を感じるわけで、「チタンのラグスポ」という意外性や希少性、またチタン素材の低アレルギー性などの良い要素があることから、「ラグスポが気になる」という方は、積極的に検討しても良いのではないかと思います。