去年の9月頃から“急激な評価”という様子を見せたパテックフィリップのワールドタイム。
従来、ワールドタイムは「幻の激レアグランドコンプリケーション」といわれていたような存在でしたが、2000年からはコンプリケーションの一角として通常販売されるようになりました。
そういったキャラクターであるため、2000年のプチコン世代デビュー時からワールドタイムは時計ファンの間で注目度が高く、2000年代前半には年次カレンダー(当時出たばかりだった)とともに、時計通から人気が高いモデルといった感覚があったといえます。
ですからワールドタイムは、目立った変動をするような存在といえるわけですが、不思議と2015年以降、特に値動きしないという状態が続いていました。
これは、ワールドタイムに限らず、年次カレンダーやランゲ&ゾーネのランゲ1も同様。なぜか、2000年代前半に「時計通の選択」といった感覚で評価されていたモデルが2015年頃から長きに渡って値動きしなかったわけです。
しかし、2022年になるとそういった状態が変化。それらモデルが「ガバッと上昇」するようになったのです。
最初に値動きするようになったのはランゲ1で、その変化は2021年に発生。当初は「久々に2015年水準超え」というところだったのですが、2022年になると「過去最高値大幅更新」という様子を見せたのです。
その次に変化を見せたのが年次カレンダー(5035世代)で、2022年8月に5035R-001が「5年10ヶ月ぶりの目立った変動」となっていました。
そして、最後に動いたといえるのが、このワールドタイム(K18系)。それまで、K18系は280万円前後という水準に位置していたのが、500万円前後といえる水準に達したわけです。
ただ、その際、プラチナの5110P-001については中古売出しが無かったため、「どうなっているのか」が分からない状態となっていました。
筆者としては、5110P-001が気になっていたわけですが、現在中古売出しが複数ある様子となっており、念願かなってその状況をお伝えすることが今回できた次第です。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年10月 の安値 |
2023年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
ワールドタイム 5110P-001 |
中古 | 1年 6ヶ月 |
¥5,302,440 | ¥6,886,000 | 1,583,560 | 129.86% |
実はワールドタイム、先程のランゲ1と同様、このプラチナモデルに限っては2021年の段階で「バガっと上昇」という様子があったのです。
2021年10月の記事でもお伝えしたように、5110P-001は、
というように、長らく360万円前後という水準に位置してました。
それが、2021年10月に約530万円となったわけで、その時点で「過去最高値更新」というような大きな動きになっていたといえます。
そして現在、5110P-001は約688万円となっているわけで、再び大きく上昇したという様子。
長らく動かなかったモデルが「過去最高値更新」となった場合、その後数年動かないというケースがあるなか、5110P-001は1年6ヶ月という期間で再び「ガバッと上昇」したということになります。
また、2021年10月⇒現在の間には「下落トレンド」が含まれるため、そういった期間を含んでもこれだけの上昇となっていることは、輪をかけて凄いといえるかと思います。