「クルドパリ」といえば、カラトラバなどパテックフィリップのドレス系モデルで見かける“独特なベゼル形状”という印象がありますが、その人気度は決して「高い」とはいえません。
というのもクルドパリは、ひと目見た印象では「すごく渋い」わけであって、スポーツモデルとは真逆のような方向性。スポーツモデルとかけ離れているというのは「不人気要素」ともとれるでしょう。
しかしながら、クルドパリの魅力はじっくり見ていると「良い」と感じてきます。ノーチラスほどの“強い珍味”とはいえないかもしれませんが、独特な魅力があるといえるでしょう。
そんな「クルドパリのパテックフィリップ」でありますが、現行モデルで中古相場が「定価以上」となっているモデルが存在。
それが、2021年に出たカラトラバの6119G-001です。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2022年7月 の安値 |
2023年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
カラトラバ 6119G-001 |
中古 | 0年 9ヶ月 |
¥4,840,000 | ¥4,980,000 | 140,000 | 102.89% |
従来、クルドパリ仕様のパテックフィリップは、『YG+白文字盤+ローマンインデックス』というように、渋い印象がありましたが、この6119G-001は『WG+グレー文字盤+バーインデックス』という仕立て。
クルドパリの渋さと、グレー文字盤のモダンさが、とても良いマリアージュを奏でているといえます。
筆者は、この6119G-001をひと目見た時から「ほしい!」と思ったのですが、はやりそう思う方は多いようで、6119G-001の中古相場は定価以上という状態。
なお、現在の定価は430万1000円と公式WEBサイトに記載されていますが、中古ボトム価格は498万円。実に68万円ほどのプレミアムがついているといえます。
更に凄いのは、6119G-001は2022年7月⇒2023年4月という期間で、中古相場が「値上がり」しているという点です。
2022年といえば、3月頃まで急上昇トレンドがあったものの、その後は下落。そのため、2022年7月⇒2023年4月という区切りでは「値上がり」となっているモデルは多くありません。
そのような状況下でも、6119G-001はしっかり上昇しているわけですが、“カラトラバ”しかも“現行”という要素で、こういった値動きになるのは珍しいといえます。
現行モデルとして販売されている時期に、中古相場が「定価以上」となるカラトラバは、レギュラー品としては、おそらく初といえるかもしれません。そうであるならば、ロレックスのオイスターパーペチュアル114300ダークロジウム文字盤のパテックフィリップ版ともいえる存在に感じます。