ダイヤ文字盤など、ダイヤモンドの装飾がされた腕時計は、通常の感覚では“特に珍しくない”という印象があります。
例えば、パテックフィリップの場合、通常文字盤のノーチラスとダイヤ文字盤のノーチラスが同水準であったり、場合によってはダイヤ文字盤のほうが安価ということもあります。(例:3800のコンビやK18など)
しかし、パネライにおいてのダイヤ文字盤は「特別」で、通常文字盤とは明らかに違うキャラクターとなっているわけです。
その理由は、パネライが「ダイヤ文字盤」をすべて限定の特別仕様として販売したからなのですが、中古相場でもダイヤ文字盤モデルはいずれも昔から高値となっています。
例えば、ルミノールベースの場合、通常文字盤(112番)は現在41万円程度で売られている一方、そのダイヤ文字盤(130番)となると約269万円。他ブランドの“通常対ダイヤ文字盤”の価格差とはベクトルが違うのです。
そんなパネライのダイヤ文字盤でありますが、最も豪華かつ高値という印象なのがラジオミールであります。
ダイヤ文字盤の多くが2005年頃までに作られていたわけですが、この頃といえば、ラジオミールが上級モデルという役割を担っていた時期。そのため、ダイヤ文字盤のラジオミールは、ルミノールよりもレアで高いという印象があるわけです。
では、現在ラジオミールのダイヤ文字盤がどのぐらいで購入可能なのかというと、その答えは約222万円。
驚くべきことに、ルミノールベースのダイヤ文字盤(130番)よりも安いのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年2月 の安値 |
2023年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ラジオミール PAM00136 |
中古 | 5年 3ヶ月 |
¥2,658,000 | ¥2,223,000 | -435,000 | 83.63% |
なお、このラジオミールPAM00136は、2002年に登場したモデル。2005年にも販売されたようですが、特徴としては、103番をそのままダイヤ文字盤化したモデルとった感じです。
ちなみに103番は先日160万円台という水準に達してたため、そのダイヤ文字盤仕様の136番との差は100万円未満ということになります。
かつての103番対ダイヤ文字盤の差、及びルミノールのダイヤ文字盤との関係を考えると、現在136番はお得感がある状態だと思います。
なお、この136番は、103番と同様、ゼニスエリートベースのムーブメントが搭載されているのですが、2001年までに作られていたラジオミールのダイヤ文字盤にはフレデリックピゲが搭載。
そちらは、ベゼルの形状等が103番など通常のK18ラジオミールとは異なり、より特別な印象があります。
フレデリック搭載のダイヤ文字盤と比べると、136番は安価というポジションだといえますが、だからといって、ルミノールベースよりも安価というのは異例だといえます。
ちなみに、現在ルミノールベースでも30番については約219万円で売られている様子。30番は、バー部分がバケットダイヤということや、生産年がA番(1998年から)ということもあって、かつては130番よりも高値という印象がありました。
ただ、その30番の現在水準と比較しても、このラジオミールPAM00136は、ほぼ同水準という状態。
いずれにしても、PAM00136は現在お得感を感じられるという結論になるといえます。