2022年からパシャ38mmが値動きするようになりましたが、クロノグラフモデルはそれまでの30万円台から50万円台に変化しています。
パシャ38mmのクロノグラフといっても、何種類かがあるのですが、フレデリックピゲベースの自動巻ムーブメントを搭載するモデルは、代表的なモデルで4種類あるといえます。
最もポピュラーなのが、白文字盤+ブレスレットのW31030H3。そして、それの革ベルト仕様があるわけですが、これら2型番が通常版といった印象です。
それに対してあとの2つは、特別バージョンといえる存在。その1つがN950という名前がつけられた、W3105155であるわけですが、これはベゼルがプラチナの豪華仕様であります。
このN950は、クロノグラフ以外にも、3針グリッド付きとGMTが用意。それら3つともに黒文字盤が採用され、ストラップは革ベルトのみとなっています。
N950は、パシャ38mmとしては珍しい黒文字盤が採用されているだけあって、以前から相場は白文字盤よりも高値。通常であれば、ブレスレットのほうが革ベルトよりも高値となる傾向がありますが、白文字盤ブレスレットとN950との比較では、N950のほうが高い傾向があります。
そして4つ目が、今回紹介するW3107355なのですが、このモデルもまた、黒色風な文字盤が採用されたパシャ38mm。一見すると、N950に見えるのですが、実は異なるモデルであります。
では、このW3107355は、どういった内容なのかというと、その答えは2004年のクリスマス限定モデル。パシャシリーズは、1999年のパシャCシェル文字盤から、何年かに渡って毎年クリスマス時期に限定モデルを出していたわけですが、2004年のそれがこのW3107355だったわけです。
W3107355は、一見するとN950に似ているわけですが、ベゼルはプラチナではなくSS。文字盤も実は黒ではなくグレーとなっています。
写真で見ると、黒もグレー文字盤も同じように見えるため、見分けがつきづらいのですが、N950には「CARTIER」だけが表記されているのに対し、こちらのW3107355には「CARTIER」の下に「AUTOMATIC」という表記が入ります。
この「AUTOMATIC」表記は、白文字盤にも入っているわけですが、そういったことや、ベゼルがプラチナでないことから、このW3107355は、N950のやや安いモデルという感覚になります。
しかし、そんなW3107355は今、なんとSSパシャ38mmとしては最も高い相場に変化。
現在水準は約58万円となっており、N950よりも高値となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年8月 の安値 |
2023年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
カルティエ
パシャ38mm W3107355 |
中古 | 5年 10ヶ月 |
¥301,320 | ¥588,000 | 286,680 | 195.14% |
このW3107355は、2017年8月時点で約30万円という状態でしたが、当時このモデルのポジションは、N950よりも安いが、白文字盤よりは高値といったところでした。
それが今、W3107355は最も高いSSパシャ38mmという評価にまで上昇。
かつての印象では、N950のカジュアル版という感覚があったわけですが、今となっては「グレー文字盤」という点だったり「クリスマス限定モデル」という点が評価されているように思います。