通常、ロレックスは3月にモデルチェンジを行うわけですが、例外的に8月に世代交代を行ったというモデルがあります。
デイトナは16520⇒116520のモデルチェンジの際、GMTマスター2は16710⇒116710LNのときに、変則的なモデルチェンジが行われたわけです。
5桁世代においては、年ごとに「A番」「P番」といった品番が定められていましたが、3月以外にモデルチェンジを行ったモデルは、1年スパンの途中で生産終了となり、希少性が高くなります。
そして、16520と16710は、そういった最終モデル(ないしはそれに近い世代)において小改良が行われていたため、なにかと高い評価となるわけです。
まして、この16710の場合、最終モデルはムーブメント異なる(新世代ムーブメント搭載)となっているわけで、特にキャラクターが濃いといえます。
ただ、先日の16250の「P番」でお伝えしたように、近頃は「新しい(最終モデル)」よりも「古い(初期モノ)」のほうが評価される傾向があります。
そうなると、16710の最終モデルであるZ番の評価も怪しい、と思うわけですが、実はこのZ番、16520 P番とは異なり、かなりな値上がりとなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年1月 の安値 |
2023年6月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ロレックス
GMTマスター2 青赤ベゼル (Z番) 16710 |
中古 | 2年 5ヶ月 |
¥1,278,000 | ¥2,266,000 | 988,000 | 177.31% |
前回、16520 P番と、この16710 Z番を取り上げたのは2021年1月でしたが、それから今にかけて、16520 P番は約43万円の下落。その一方、16710 Z番は約98万円の上昇となっているのです。
なぜ、同じ“生産期間が短い最終モデル”という特徴を持つ両者が、2021年1月⇒2023年6月において、方や値下がり/もう一方は値上がりとなったのでしょうか。
筆者の見解では、16710が評価されたのは以下のような要素があると思っています。
これら理由により、16710のZ番は2021年1月⇒現在にかけて、より高い評価となったのだと思います。
なお、現在、Z番に限らず16710の青赤ベゼルが高くなっている印象がありますが、Z番については黒/黒赤含め200万円以上という状態ですから、やはり「Z番」の評価は高いといえる状態です。